アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 775

【公判調書2415丁〜】

                   「第四十七回公判調書(供述)」

証人=斉藤留五郎

                                            *

福地弁護人=「話を狭山署時代に戻します、いいですか。狭山署に石川君が留置されていた頃に、夜、眠れなくなったようなことがありましたか」

証人=「誰がですか」

福地弁護人=「石川君が」

証人=「それは別に私は聞いておりません」

福地弁護人=「狭山署時代に石川君がお医者さんにかかって注射を打ったというようなことは記憶にありませんか」

証人=「別に覚えてません」

福地弁護人=「狭山署時代に、留置場から取調室へ石川君を連れて来る時には、留置場の看守のほうで、普通、どこの警察でもやっていると思いますがね、被疑者の出入簿みたいなものに記帳しているんじゃないでしょうか」

証人=「やっていました」

福地弁護人=「あなたが留置場から石川君を取調室まで連れて来るときに、看守のほうではそれを記帳するわけですね」

証人=「はい」

福地弁護人=「その記帳する内容ですけれども、どういうことを記帳するんですか」

証人=「取調という風に書いてあったのを見ております」

福地弁護人=「時間は書いてないでしょうか、留置場から出す時間」

証人=「書いてあると思いました」

福地弁護人=「取調べが終わって留置場へ戻すときにも当然それはまた書かれるんでしょうね」

証人=「はい」

福地弁護人=「それはあなたが書くんじゃなくて、看守のほうで書いていたんですね」

証人=「はい」

福地弁護人=「それから、そういう留置場からの出し入れの他に、外部から接見に来たときには警察じゃ接見簿みたいなものをね、差入接見簿みたいな様なものを付けているようですが、ご存じですね」

証人=「私は付けませんでしたが、あります」

福地弁護人=「ご存じですね、付けていることはね」

証人=「はい」

福地弁護人=「あなたは付けたことはないんですか」

証人=「はい、ありません」

福地弁護人=「狭山署時代にそういう接見簿というのは誰が管理していたんでしょうか」

証人=「私には分かりません」

福地弁護人=「僕等が弁護人として接見に行きますと、接見簿に書かされるんですよね。ここに中田弁護人なんかいますけれどもね、弁護士が接見する時には接見の部屋まで被疑者を連れ出しますね、留置場から。その時もあなたはやはり留置場から接見の場所まで石川君を連れて行っておりましたか」

証人=「狭山ですか」

福地弁護人=「狭山時代のことです」

証人=「狭山は行きません。狭山は留置場の中で出来るんですから、私が表まで行ったことはあります」

福地弁護人=「狭山署の接見室というのは留置場の中にあるんですか」

証人=「あったと覚えています」

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(当審第四十三回公判調書中、証人=斉藤留五郎の供述調書末尾添付の図面を示す)

(当審第四十三回公判調書、証人=斉藤留五郎供述調書末尾添付図面)

                                             *

福地弁護人=「これはあなたが前回書いた図面ですけれども、この図面で言うと、狭山署の玄関はどちら側にあたるんですか」

証人=「こっち側が事務室になっております」

福地弁護人=「この図面の下のほうが事務室になっていて、そして留置場は」

証人=「こっち側です」

福地弁護人=「狭山署の玄関は」

証人=「廊下をずっと来て事務所に入ってしまうんじゃないかと思いますが」

福地弁護人=「事務所を通って玄関へ行くわけですか」

証人=「はい」

福地弁護人=「その図面とは別ですけだどもね(原文ママ)、2416左下 狭山署の玄関を入って、すぐ右の方に多分、捜査課長の部屋だと思いますけれども、そういう部屋があったことを覚えていますか」

証人=「捜査は玄関を入って、事務室を通って来てから捜査課に入るんじゃないかと思います」

福地弁護人=「そうすると、その図面で言うと、捜査課室とそこに書いてある、そこにあたるわけですね。その図面で言うとね」

証人=「はい」

福地弁護人=「その捜査課室には、よく警察にある透かし鏡がありますか」

証人=「狭山の警察はちょっとよく分かりません」

福地弁護人=「その図面で見て下さい。石川君を取調べていた部屋はその図面の上の方の部屋ですね」

証人=「はい」

福地弁護人=「あなたの記憶でね、石川君をその調べ室以外の部屋に連れて行ったことありますか」

証人=「違う部屋とすれば検事さんのお調べになった部屋かと覚えてます」

福地弁護人=「それはどこの部屋ですか」

証人=「それは一つ隣の部屋です」

福地弁護人=「下の部屋ですね」

証人=「はい」

福地弁護人=「捜査課室に連れて行ったことありますか」

証人=「覚えございません」

福地弁護人=「その取調べは主として一番上の部屋でやっておったと、検事さんの取調べが、その図面で、その下の部屋でやったことがあったということですね」

証人=「はい」

福地弁護人=「一番下の部屋で取調べが行なわれたことはないわけですか」

証人=「覚えありません」

福地弁護人=「誰かに頼まれて一番下の部屋に連れて行った記憶はありませんか」

証人=「覚えありません」

(続く)