アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 764

山狩りの様子。(写真は"無実の獄25年・狭山事件写真集=部落解放同盟中央本部中央狭山闘争本部・編、解放出版社"より引用)

【公判調書2391丁〜】

                 「第四十七回公判調書(供述)」 

証人=清水利一

                                            *

石田弁護人=「それでは、捜査会議の報告ということでお伺いしますが、そういう関係で、あなたが得た知識ですが、鞄について捜査本部では具体的にはどんな捜査を実施してきたんですか」

証人=「鞄については、捜索班に下命して、機動隊長以下、警察官も入りますし、もちろん消防団もいく日か山狩りに出ておりましたが、主として機動隊長以下機動隊の幹部捜査、それからそれに従事する捜査員にどうしても鞄を見つけてくれという指示命令が出ておりました」

石田弁護人=「それは山狩りの段階ですか」

証人=「山狩りの段階でもありますし、その後においても鞄というものはどうしても・・・・・・」

石田弁護人=「誰か特別に鞄の捜索を担当した本部の人がおるんではないですか、一般的にそういうことだけではないでしょう」

証人=「物の捜索ですからあったでしょうね。小島警部がだいたい物の方の主任だったと私は覚えているんですが」

石田弁護人=「捜査会議の席であなたが得た知識といえば、小島警部などが指揮する班がその鞄などの捜索という仕事を担当していた、という風に聞いていいですね」

証人=「小島警部に、鑑識が入りますね」

石田弁護人=「鑑識は補助でしょう。発見された際の処置に必要なわけでしょう」

証人=「まあ、そういうことです」

石田弁護人=「そういうことじゃなくて、もうちょっと具体的に鞄の発見、あるいは捜索のために捜査本部として、具体的に何か打たれた手はご存じないですか」

証人=「もちろん、現場を中心にして機動隊がやったあとの捜査というのは打ち出されているわけです」

石田弁護人=「あなたも捜査の幹部の一人として教科書が発見されたということもご存じですね」

証人=「知っております」

石田弁護人=「その、教科書が発見された際にも、やはり山狩りしたところだということで、どうもここから発見されたのはおかしいんじゃないかという疑問は捜査本部内には無かったんでしょうか」

証人=「山狩りの連中が徹底しなかったかなということは出ましたね」

石田弁護人=「徹底しなかったということですか、もっといろんな角度から捜査の議論はなされて然るべきだが、どうでしょうか」

証人=「まあ、大体私が覚えているのはその程度です」

石田弁護人=「教科書が発見された頃に、鞄はどうなってるんだという話は出ませんですか」

証人=「もちろん出てます」

石田弁護人=「何か、具体的に捜査本部で、こういう風にしようという方針を出して、それに従って行動した捜査班があるんではありませんか」

証人=「まあ早く何とかして、本があったんだから鞄もどこか別にあるんだということで、小島警部の班だろうと思うんですが、捜査は一生懸命やったように私は記憶してるんですがね」

石田弁護人=「まあ直接は、小島さんのことだからあなたとしては捜査会議で得た知識というのはそんな程度ですか」

証人=「そういうことですね。それで記録も、担当のはよく責任持ちますが、よその担当までは目が届かないんです。捜査陣が百五十人、二百人になりますと、自分のところに四、五十人の部下を持ちますと、とても人のところまではなかなか」

石田弁護人=「その点については、私はその辺で置きまして、もう一つ他のことを尋ねますが、石田豚屋で無くなったとされているスコップについて、果たして石田豚屋のスコップが無くなったものかどうかという点で捜査をしたことはありませんか」

証人=「直接私はスコップの捜査は」

(続く)