昨日ブログを更新したところ、ブログ管理画面では更新が完了されているのだが、「はてなブログ」の見開き画面にはそれが反映されてない状態となった。これでは今、このブログが一体どういう状況に置かれているのか、当方のしょぼいネット環境では果たして記事が更新されたかどうか客観的に確認することが出来ないのであった。したがって念のため、昨日更新したはずの文を冒頭へ記しておく。
『狭山の黒い闇に触れる 1165』
(芋穴の内部)
(芋穴の蓋。その上にはビニールの切れ端と木の棒が見える)
【公判調書3610丁〜】
「第六十五回公判調書(供述)」
証人＝高橋乙彦(四十七歳・警察官。事件当時は埼玉県機動隊分隊長)
＊
橋本弁護人＝「(前同原審記録第二冊大野喜平作成名義の実況見分調書添付写真一三号五八八丁を示す) この写真よく見て下さい、あなたが芋穴を最初に見た時の模様を写真に撮ったのがこれじゃないですか」
証人＝「そうです。先ほども申しましたように現在見れば記憶がはっきりしないんです」
橋本弁護人＝「芋穴の蓋の状況は現在ではどうしても思い出せない」
証人＝「半分くらい開いていたか、それとも開けたのか、記憶ないんです」
橋本弁護人＝「浦和地裁での証言では半分開いていたということを二、三回繰り返しておりますが」
証人＝「じゃその通りだと思います」
橋本弁護人＝「五月三日にも山狩りに従事したということでしたね」
証人＝「はい」
橋本弁護人＝「その日はどの辺を捜したんですか」
証人＝「三日の日の記憶がちょっとないんですが」
橋本弁護人＝「もちろん違う場所でしょうね、五月四日とは」
証人＝「と思いました」
橋本弁護人＝「午前中から始めて夕方までやったんですか」
証人＝「そうです」
橋本弁護人＝「やはり雑木林の中ですか」
証人＝「雑木林の中、または畑ですね」
橋本弁護人＝「捜した場所は東中学校というのがありますけれども、あれを基準にしますと、どの方向ですか」
証人＝「あれの南側だと思いますが」
橋本弁護人＝「他の分隊も同じ付近ですか」
証人＝「だいたい同じ方向に出てると思いますが」
橋本弁護人＝「あなたは後で、事件に関係があったという教科書、カバンを、発見された地点を見たことがありますか」
証人＝「カバンが発見されたということは新聞で知ってますが」
橋本弁護人＝「教科書が発見された所は」
証人＝「捜索が終わってから全然本部にも行きませんから」
橋本弁護人＝「私が聞いているのはカバンを発見された地点や教科書を発見された地点を後で知ったかということです」
証人＝「地点は聞かないんです」
橋本弁護人＝「新聞で知った」
証人＝「ええ、新聞で発見されたということを知りましたが」
橋本弁護人＝「発見された場所も新聞で知ったんですね」
証人＝「場所は書いてあったようでしたが、ちょっとあの付近の状況は分からないため、分かりませんでした」
橋本弁護人＝「概括的なことで結構ですが、あなた方が山狩りをした付近か、それとも全然しなかった付近か、という点ではどうですか」
証人＝「カバンが発見された場所ですか」
橋本弁護人＝「場所については」
証人＝「場所についてはカバンが発見されたということを新聞で見たことがちょっと記憶にあるんですが･･････」
＊
松本弁護人＝「あなたは五月三日から山狩りを始めたと」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「それで三、四回したと」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「そうするといつまで、三日と四日とそれから」
証人＝「死体発見された後も何日か出てますから」
松本弁護人＝「何日間くらいでしょうか」
証人＝「･････････」
松本弁護人＝「翌日、五日はどうでしょうか」
証人＝「翌日はどうか･･･、ちょっと間で一日休んでいる時がありますが」
松本弁護人＝「その後も二日ほどやったんですか。翌日五日はどうか分からないけど、四日以後も、もう二日ほど捜索に従事されたことがあると」
証人＝「ええ、出てます」
松本弁護人＝「そうすると、先ほど四日のことにつきまして場所的関係を橋本弁護人からお尋ねがあったんですが、四日は芋穴を発見して、その後死体が発見されて、その後は捜索がされていないんですか、いわゆる山狩りは四日は、もうそれでやっておられないんですか」
証人＝「死体発見の日ですか。その日は恐らくそれ以降はやってないと思います」
松本弁護人＝「それ以後に五日か六日か分かりませんが、その頃からまあ、七日、八日くらいの間に二日ほど山狩りをした記憶があると」
証人＝「はい」
(続く)
ここから本日分である。【公判調書3612丁〜】
「第六十五回公判調書(供述)」
証人＝高橋乙彦(四十七歳・警察官。事件当時は埼玉県機動隊分隊長)
＊
松本弁護人＝「先ほどの話では四個分隊で一個分隊が約十一名だと。だいたい四日間を通してそういう構成でやっているんでしょうか」
証人＝「全部出てるとは限りません」
松本弁護人＝「全部出てる日もあるんですか」
証人＝「ええ、全部出てる日もあると思います。人員についてはちょっとはっきりしません」
松本弁護人＝「死体が発見された後、つまり四日以後には重点的にはどういう所をお調べになりましたか。やはり漠然とその辺一帯ですか。死体発見現場を中心にしてお調べになったかどうか」
証人＝「と思いますが」
松本弁護人＝「証人自身は四日以後、二日間を捜索にあてられたご記憶があるようですが、その時にもやはり死体発見現場付近をお調べになったご記憶ですか」
証人＝「死体発見現場には私は行っておりませんが、中学がありましたね、あっちの方に行ってるかも知れませんが。発見後はですね」
松本弁護人＝「建築中の中学校の方ですか」
証人＝「ええ、あっちの方に行ってると思いますが、はっきりした記憶はありません」
松本弁護人＝「建築中の中学校というのは、発見現場からは離れておりますね」
証人＝「ええ」
松本弁護人＝「単なる平地ですね」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「重点をかけたのは山とか、山と畑の間とか、藪とか雑木林の中とか、こういう所でしょう。特に重点を置いて調べたのはその発見現場の付近一帯ということじゃないんですか、四日以後は」
証人＝「ええ、付近一帯になりますね」
松本弁護人＝「そうでしょう、死体は上がりましたけれどもまだそのほかに遺留品があるんじゃないかということで、お調べになったんでしょう」
証人＝「ええ、そうです」
松本弁護人＝「どんな風な物があるだろうという推定でお調べになったんですか。漠然と調べたんですか、あるいはこういうものは必ずあるに違いないということだったんですか」
証人＝「本人の持っていたカバンあたりが重点だと思います」
松本弁護人＝「死体を埋める穴を掘ったスコップ、これはやはりその付近に遺棄してあるかも知れないということは考えたでしょう」
証人＝「それについてはちょっと、記憶がないんです」
松本弁護人＝「そういうことも考えてお調べになったんじゃないんですか」
証人＝「その点はちょっと分かりません」
松本弁護人＝「そうすると山狩りをなさっておったのは四個分隊のほかに消防隊の方がおられたようですが、警察官としては四個分隊だけですか」
証人＝「四個分隊と、あとは本部員がどういう風なあれをしてますか、その点は分からないんですが」
松本弁護人＝「本部員は私服もおった」
証人＝「そうです」
松本弁護人＝「証人等は制服ですか」
証人＝「ええ、出動服です」
松本弁護人＝「制服の警察官の方々が山狩りをされたというのはご証言の通りの回数くらいだと思うと、こういうことですか、一斉に大規模な山狩りをしたというのはだいたい四回くらいではなかったかということですね」
証人＝「それくらいだと思います」
松本弁護人＝「あと、私服の警察官はどのような捜査をしておったか分からないと」
証人＝「はい、その点は分かりませんですね」
＊
松本弁護人＝「(原審記録第三冊福島英次作成名義の実況見分調書添付、スコップ発見現場見取図八六三丁を示す) ここで(１)となっているのは死体発見現場ということですね」
証人＝「はあ」
松本弁護人＝「それから(２)となってますのがスコップ発見現場ということになっていて、(１)と(２)の間の距離が百二十四.六メートルということになってますね」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「では伺いますが、先ほど北の方から五月四日当日、山を上(のぼ)って来たというような供述があったんじゃないんでしょうか」
証人＝「ええ」
松本弁護人＝「そうすると、この(２)のスコップ発見現場辺りはその際にお通りになった場所じゃなかったでしょうか。麦畑ですけれども」
証人＝「･････････」
松本弁護人＝「その山林と書いてありますね、その山林の北側を西進して来たと」
証人＝「はい、来まして、そのままだと山林の所を抜けて萩原逸雄方ですか、そのほうに出てしまうのを出ないで、竹藪が左にあったので、そっちへ」
松本弁護人＝「そうすると、山林の北側を西進して萩原逸雄の手前に桑畑、麦畑ということが書いてある、その所から行かないで山林を越したあたりに麦畑がありますね、その付近を南下した、境を南下した」
証人＝「竹藪があったのでそこに行ったんです」
松本弁護人＝「麦畑と書いてあるその付近が竹藪だったと今言われたんですね」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「その付近を捜索されて芋穴の所に出たと」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「そうすると後日、五月十一日に須田ギンという人によってシャベルが発見された位置は、今先ほど申し上げたように(２)の地点なんですけれども、そうすると証人が五月四日に部下の人と一緒に一応通られた場所から見ますと幾らも離れてませんね」
証人＝「ええ、そうですね」
松本弁護人＝「そうしますと、いずれにしてもスコップが発見されたことが明らかな(２)の地点の東側を南北に通っている畦道がありますね。そのさらにもう一つ図面でいくと東側の畦道を南下されたということになりますね」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「それから五月四日以後の、現場付近の捜索にあたった際、今私が示しましたようなその付近、死体発掘現場から百メートルくらいの麦畑の捜索はなさらなかったでしょうか」
証人＝「その付近は私どもは行ってないんですが、道路を基準にして捜索にあたったと思いますが」
松本弁護人＝「道路と言いましても大きな道路もあれば小さな道路もありますし」
証人＝「大きい道路なんです。その所を基準にしてやったと思いますが、はっきりした記憶はありません」
松本弁護人＝「死体発掘現場、芋穴付近、そこから道路に出るには結局、農道を通らなければ駄目ですね」
証人＝「ええ、農道を通って出ますね」
松本弁護人＝「そうしますと、通りに達しうる限りの農道は、あるいは畦道は一応通って、その付近に変わった物が落ちてないかについてはお調べになったんじゃないんですか」
証人＝「ええ、やりました」
松本弁護人＝「先ほどの図面によりますと、畦道からわずか〇.八メートルの所にスコップが麦畑に添って置いてあるのを発見されておるんですが、わずか〇.八メートルの所に置いてあったことが実況見分調書で明らかになっているんですが、もしもスコップということを念頭に置いて、あるいは犯行の遺留物ということを念頭に置いて捜索なさったんであればそれを見落とすということは、見落としたという風にお考えになりますか。推測を強いることになりますが」
証人＝「そのまま真っ直ぐ出てれば･･････」
松本弁護人＝「四日以後に死体発掘現場を中心にさらに遺留物を捜索なさった際にお気付きになり得る場所ではなかったかと思いますが、あなたとしてはもちろんスコップが発見されたという報告は受けませんでしたね」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「もしも仮にスコップが置いてあることが見つかれば当然それは報告として上がって来るべき性質のものですね」
証人＝「はい」
松本弁護人＝「畑とか藪の中とかで警察官が捜索しておられる時にスコップが置いてあればこれは当然重要な証拠物を発見したということで報告が上がって来るべき性質のものですね」
証人＝「そうです」
(続く)
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○この証言が事実であれば、発見されたスコップは山狩りが終了した後に麦畑に置かれたことになる。狭山事件においては押収された証拠品に関し、様々な黒い疑惑に包まれているのだが、このスコップに関しても、前述した発見されるまでの過程や、所有者は石田養豚場との電光石火の捜査当局発表など、腑に落ちぬ展開を見せている。
