【脅迫状の謎】②
七月七日付検河本仁之調書によると、脅迫状の十行目から文字が大きく書かれている理由について石川被告は、『真ん中から少し下の辺りから字を大きくしたのは、紙が余りそうになったから字を大きく書いたわけです』と説明している。

ところが一般常識的には、それまでの文字サイズを大きくするということは、文章(この場合は脅迫)の効果を高めるための手法として広く知られるところであり、けっして余白を埋めるための方法ではないのである。脅迫状の十行目の冒頭は、『くりかえす 刑札にはなすな』から始まっており、いわゆる脅迫の効果は十分に高められている。こういった手法を確かな意図と配慮を込め自然に書き上げている執筆者は、やはり普段から文章と深く接している者と言わざるを得ない。(続く)