アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 1351 【判決】㊿

(写真は自宅敷地内の納屋に返されていた被害者の自転車だが、運が悪ければ家人と鉢合わせするかも知れない危険を犯してまでここへ置いた犯人の意図は何であったのか謎である。自転車の返却と共に玄関戸口へ脅迫状が差し込まれた時間帯をみると、娘の帰りが遅いことを家人らが心配し始めた頃合いと脅迫状が届けられたタイミングはほぼ重なっており、いつ屋内から家人が出て来てもおかしくない状況での自転車返却及び脅迫状の差入れが行なわれている。何かそこには中田家に関して、かなり精通した人物が介入している気配が強く感じられる・・・)

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                    【狭山事件第二審・判決㊿】

       (自転車、その荷掛紐及び教科書類について)

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   関係証拠によれば、五月一日夜、被害者=中田善枝の身分証明書入りの脅迫状が中田栄作方に届けられ、中田方では善枝が学校からの帰途何者かによって誘拐されたのではないかと思い、警察に届けて助けを求めようとして父=栄作と兄=健治とが一緒に小型貨物自動車で出掛けようとした際に、納屋の軒下に善枝が当日学校へ乗って行った婦人用自転車が置いてあるのを発見したこと、五月三日、犯人逮捕に失敗した捜査当局が被害者の通学路を含め主として附近一帯の山林を捜索し、手掛かりとなる遺留品、証拠物の発見に務めた結果、同日午後二時二十五分ころ狭山市入間川井戸窪一⚫️九八番地の雑木林から被害者が使用していた自転車の荷掛紐を発見したこと、その後五月四日に死体が発見され、五月十一日にはスコップが発見された後、五月二十五日になって同市入間川字中窪一⚫️八一番地の桑畑で作業中の宮岡貞男が畑の側溝で被害者の教科書、ノート類十三点を発見して警察へ届け出たことは疑いのない事実である。

   これらの自転車、その荷掛紐及び教科書類の発見経過から犯行の態様について推測できることは、犯人が五月一日中田栄作方へ脅迫状を届けに行く際に、この自転車を利用したであろうこと、その途中で被害者の所持品の教科書類や荷掛紐を捨てたり隠したりしたこと、いまだ発見できないが、鞄も教科書類や荷掛紐を捨てたり隠したりした地点の附近に隠されているのではないかということがあって、犯人の行動経路はもちろん不明であるが、犯人が中田家へ自転車を届けたのは、脅迫状を届けに行く際、単にそれを利用したばかりでなく、脅迫状在中の封筒に身分証明書を入れたのと同様、家人に被害者の身に危険が切迫していることを告知する意味があったと考えてよいだろう。また、犯人にしてみれば、自転車から足がつくことを恐れてこれを被害者宅に差し置くのが得策であると考えたこともあるであろう。

   然るところ(注:1)、被告人の自供によって、五月一日の犯行の手順や経路が明らかになり、これらの証拠物の処置の詳細も判明し、これらの証拠物は、他の証拠物と相まって被告人の自白の真実性を担保していることに相違はない。

   ところで所論は、自転車や教科書類から指紋が検出されなかったこと自体に疑惑がある、すなわち、捜査当局が故意に指紋を拭き消したのではないかとか、指紋検出方法に誤りがあったのではないかなどというのである(自転車、荷掛紐、教科書類の発見経過については他に特段の主張はない)。

   自転車の指紋検出に関する報告書は提出されなかったが、当審において提出された教科書(五・三〇警察主事=小沼達之助ほか三名作成の「指紋検出結果報告書」)、封筒、脅迫状、身分証明書(五・一三警察技師=斎藤義見ほか二名作成の「指紋検出および対照結果について」)、万年筆(六・二六警察主事=新井実作成の「指紋印象の有無検査結果について」)、腕時計(七・二警察技師=小沼達之助作成の「指紋印象の有無検査結果について」)などについての指紋検査に関する各報告書(これらの証拠物については、いずれも被告人の指紋を検出することができなかった)をみても、捜査当局の作為が介在する疑いは存しない。そして、捜査官らの当審証言によれば、自転車についても指紋検査が行なわれたが、指紋を検出することができなかったことが窺われる。捜査当局の指紋検査について、作為性が介在するかの如くいう所論は何ら根拠のない憶測に過ぎない。

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注:1「然(しか)るところ」="ところが"や"しかし"という意味で、前の事柄に対して反対・対立する事柄を示す。

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   ◯ところでこの狭山事件では、押収された証拠物類からは、犯人とされた石川被告の指紋は一切検出されておらず、また、被告が事件当日に着用していた衣服に血痕は見つからず、さらに言えばこの事件が発生した五月一日、石川被告及び被告と共に自転車を押す被害者らの姿を見た者は誰もいないのである。にも関わらず、徹底して事件の犯人は石川被告であるとし進められた捜査の背景にあるものは一体何だったのであろうか。

   昨日はジャパンカップの前日投票馬券を新宿WINSで買うつもりであったが、朝からの強風のため、それを断念する。ルメール騎上馬から流せば的中は確実であろう。このところ、馬券を買う前に高円寺の古書会館で行なわれる市に出向くも不作(好みの古本が見つからない)が続き、これらも外出を控えさせざる要因となる。

   たっぷりと空いた時間を、家にこもり行方不明の古本の捜索にあてる。

   最近、にわかに"下山事件"が気になりし始め、いつか買ったはずの、どこかにあるはずのそれを探す・・・。

   昭和の事件・犯罪に関しては、下手な古本屋より充実している我が蔵書類だが、その保管方法はズボラであり、目的の本を見つけることには毎回苦労する。

   あった!これだ、下山事件。まぁこんなものでも三冊も揃うとは古本屋巡りでも中々出会えない光景である。しかし、下山事件にまで取り組むと、寿命が明らかに足りないことに気付く。が、果たしてこの事件は他殺か自殺か、どっちなんだ。