アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 1347 【判決】㊻

 

 ◯梅干しを焼いて食した場合、加熱によってのみ発生する「バニリン」「ムメフラール」なる成分が果肉内で生まれるらしく、これを摂取することにより濁った血液が綺麗に濾過されるという情報がある。

   狭山事件に深く触れたのち、すでに購入済みである下山事件帝銀事件ほか、他のあまたある冤罪事件の書籍に目を通し考察したいという願望を達成したく、老生は病気というものを警戒し、血液・血圧等などに気配りし、毎晩、焼き梅二個ほどと焼き椎茸三片ほど食い、寿命が延びるよう努力する・・・。

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                    狭山事件第二審・判決㊻】

                       (死体の逆さ吊りについて)

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   所論は、原判決は判示第二の事実中で「死体の足首を細引紐で縛り、その一端を荒縄に連結して死体を芋穴に逆さ吊りにし、荒縄の端を芋穴近くの桑の木に結び付けた挙句、コンクリート製の蓋をして一旦死体を隠し・・・・・・脅迫状を中田栄作方に届けた後、再び右芋穴のところに引き返し・・・・・・農道に・・・・・・穴を堀り、その中に芋穴から引き上げて運んだ善枝の死体を両手を後ろ手に縛り、目隠しを施っし、足首を縛り、荒縄をつけたままの姿で俯伏せにして入れ、土をかけ埋没し」た旨認定判示し、同認定に添う被告人の員及び検調書を証拠に挙げているが、死体や芋穴の状況には死体が逆さ吊りにされた痕跡は全くみられないし、被告人の員及び検調書中の自白は、取調官において死体が発掘された際の状態、すなわち、死体の足を縛ってあった木綿細引紐に長い荒縄が結び付けられて、うつ伏せの死体の背にたぐり寄せられてあったこと、たまたま芋穴の底にビニールの風呂敷と棍棒が落ちていたこと、死体から鼻血と思われるものが出ていたこと、被害者=善枝の着衣が当日の雨に打たれたにしてはそれほど濡れていなかったこと、木綿細引紐の端についていたビニール片と芋穴の中から発見されたビニール風呂敷の欠損部分が一致したことなどを勝手に結び付けて、死体を芋穴に逆さ吊りにするという科学的な裏付けのない想定をして、これを被告人に押し付けて自白させたものである、このような想定が成り立ち得ないことは前述のように死体の状況と芋穴自体が物語っているとおりである、また、このように取調官が勝手な想定を被告人に押し付けたことは、被告人の供述内容に不合理、不自然なところが多いこと、重要な点で矛盾があるうえに客観的証拠と一致していないことが、これを示しているのである、被告人の自白は虚偽架空であるというのである。

 

   そこで順次考えてみると、

(1)所論は、上田鑑定を援用して、死斑の発現状況からみて死体を逆さ吊りにしたと思われる所見が全くないこと、もし逆さ吊りにしたとすれば、被害者の後頭部挫創の創口周囲から出血があり乾燥血として残るはずであるが、その所見がないこと、死体を逆さ吊りにした場合には足首部分に全体重がかかってくるので、被害者が靴下を履いていても、また、逆さ吊りの時間が二、三時間だけであっても、縊死の場合に生ずる索溝と同じ程度の索溝がつくはずであるが、被害者の足首にはその所見がないこと、前頸部の赤色条痕は死戦期又はそれ以後に残されたものとみられるが、その際に頸部を圧迫したと思われる力は体重が足首にかかるのに比べるとはるかに弱く五分の一から十分の一くらいの力であることなどを考え合わせると、足首には当然体重がかかった痕跡が残ってよいはずであるが、この部分には何の痕跡もない、そうだとすれば、死体が逆さ吊りにされたとは考えられない、そして、五十嵐鑑定人も当審において、顔面には軽度のチアノーゼはあったが黒い斑点がみられないので、死体が二、三時間逆さ吊りになっていたとは考えられないと証言をして、死体の状況からは逆さ吊りの事実は否定すべきであるといっている、この点に関する被告人の自白もまた虚偽であることが明らかであるというのである。

   まず、両鑑定のいう逆さ吊りは文字どおりの宙吊りの意味であり、足首で身体の全体が支えられた場合のことを想定したうえでの意見である。ところが、先に「(二)死斑について」の項でみたように、被害者の死体背面の状況や荒縄の長さ、芋穴の深さなどから考察すると、被害者の死体は文字どおりの宙吊りではなく、死体は仰向けに芋穴の底に横たわっていたか、少なくとも上半身は芋穴の底に着き仰向けの状態であったと推認することができる。また「(四)後頭部の創傷について」の項でみたように、後頭部の裂創による外出血があったとしてもさほど多量であったとは考えられない。そして、足首の痕跡については、被害者がソックスを履いていたこと、足首に力が加わるのは死体を芋穴へ出し入れするときだけの短時間であること、しかも芋穴の口が狭いこともあって死体の出し入れの作業を静かにしなければならないこと(現に被告人自身そのように供述している)などを考え合わせると、死体の足首に索溝などの痕跡が残らないことも十分納得できるのであって、格別異とするには足りない。

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次回(2)へと進む。