◯もっぱら睡魔との闘いとなる判決文を読み進めているのだが、やはりと言うべきかこの類(たぐい)の文書に顕著な独特の文体構成と、それを補強するべく当たり前に散りばめられた分かりづらい言い回し等は、明らかに一般人向け文章ではない。もしかすると、興味本位で裁判記録などに興味を持つべきではないと"たしなめる"意図がこの記録文書を難解にしている要因の一つかも知れない。何故ならば、そう簡単に理解されては裁判所が困るケースがあるからである。
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【狭山事件第二審・判決⑨】
(いわゆる別件逮捕・勾留・再逮捕・勾留を含む捜査手続の違法・違憲を主張し、よって捜査段階における被告人の供述調書の証拠能力を否定し、自白の任意性を争い、原判決の審理不尽その他訴訟手続の法令違反を主張する点について)
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以上の次第で、当裁判所としても、前記の恐喝未遂・暴行・窃盗を被疑事実とする逮捕・勾留に始まり、恐喝未遂を除くその余の訴因に基づく第一次の公訴の提起とその関係についての保釈、「本件」を被疑事実とする逮捕・勾留から「本件」及び恐喝未遂を訴因とする第二次の公訴の提起という一連の捜査手続と身柄の拘束とは適法且つ有効であるとする原判決の判断は正当として肯認することができる。
本被告事件の場合は、かのいわゆる仁保事件などとは異なり、いわゆる「別件」による起訴後の勾留期間を利用し、長期間連続・集中して多数回にわたり「本件」につき被告人の取調べをし、「別件」勾留による身柄の拘束が余罪の取調べのためのみに利用されたというような関係は認められず、「本件」について、その時点までに収集した資料によって、逮捕及び勾留の理由とを疏明して裁判官による司法審査を経た上で逮捕・勾留が行なわれているのであるから、違法・不当のかどは存しないというべきである。
したがって、本被告事件の逮捕・勾留の違法・違憲であることを前提として被告人の捜査段階における供述調書及びこれによって得られた他の証拠能力を否定する所論は、その前提を欠き採用することができない。
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次に、被告人の捜査段階における自白(事実の承認を含む。以下同じ)の任意性について考察する。
この点につき、まず指摘しておかなければならない点は、一件記録を精査しこれを通観すると、本被告事件の捜査活動はとかく統一性を欠き、被告人の取調べに当たる捜査官に動的証拠その他あらゆる情報を時々時々に集中させる体制が不十分であったという点である。
なるほど、捜査会議なるものは毎日のように開かれて情報の交換が行なわれていたことは事実であるけれども、被告人の取調べを主として直接担当していた員青木一夫らにおいて、時々刻々に集まってくる物的証拠、鑑定結果、押収捜索・検証・聞込み等によって獲得された証拠や情報を集約し、これを精密に検討した上で、被告人の取調べに臨(のぞ)み、被告人に証拠物等の客観性に富む証拠を示してその意見弁解を求めるという方式が採られた形跡を発見することは困難である。
被告人の捜査段階における供述調書は、いわゆる「別件」と「本件」とを含め、五月二十三日から七月六日までの間に員調書三十二通、六月八日から七月八日までの間に検察官に対する供述調書(以下、検調書という)二十二通の多きにのぼり、このほかに、当審になってから、捜査の経過を明らかにするという立証趣旨のもとに取調べられた五月二十四日から六月十八日までに作成された員調書十五通及び六月一日から七月八日までに作成された検調書六通とがあって、これらを合計すると実に七十五通もの多きに及んでいるのである。しかも、被告人が自白するようになってからも、被告人を事件の関係現場に連れて行って直接指示させること、いわゆる引き当たりという捜査の常道に代え、取調室において関係現場を撮影した写真を被告人に示して供述を求めるという迂遠な方法を採ったことは、その間どのような障害があったにせよ、不十分な捜査と言わざるを得ないのであって、このことが後日事件を粉糾させ訴訟遅延の原因となっていることは否定することができない。
殊に最も重要と思われる脅迫状・封筒についてさえ、被告人に原物を示したことがあるのかどうか疑わしく、むしろその写真を常用していたことが窺われるのであり、そのため、当審に至って鑑定の結果明らかになった脅迫状等の訂正箇所の筆記用具はペン又は万年筆であって、被告人の自供するボールペンではなかったことにつき捜査官が気付いた形跡がないこと、そのため被告人のボールペンを使って訂正したという供述をうのみにし、このことがひいて犯行の手順に関する原判決の認定の誤りを導いているのである。
(続く)
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◯裁判官は検察官と仲良しであることは周知の事実である。とは言え、元検察官が弁護士へと転職した途端、顔見知りだった裁判官は手のひらを返したように顔をそむけ無視するようになったという話がある。そんな情けない、人として器の小ささが窺われる輩に被告人たちは裁かれるのである。
ところで本ブログはけっして明るく楽しい内容ではないため、精神衛生上、たまに猫の画像など載せその落ち込んだ心の回復に勤めている。今回は過去の猫画像を振り返りたい。

・・・この猫は凛々しさに満ちていたなぁ。

・・・こいつはとにかく寝てばかりいた。

このとおり。


皆、とても性格の良い猫であった。・・・気分が晴れたところで床につく。