アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 1280

【写真の解説】「篠(しの・ささ・すず)」=イネ科の多年生植物。一般に丈の低いタケ類をいう。山野に群生し、クマザサ・アズマネザサ・ミヤコザサ・ネザサなど種類が多い。葉は長楕円形で先が尖る。かご・ざる、その他、細工物を作るのに用いられ、実が食用になるものもある。

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狭山事件公判調書第二審4355丁〜】 

                        第七十五回公判調書(供述)

                                                                被告人=石川一雄

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青木弁護人=「山学校の仕事がない時に、お父さんと他の仕事をしに行くことがあったんじゃないの」

被告人=「仕事というか、山へ篠(しの)なんか取りに行ったんですね」

青木弁護人=「篠刈りに行ったというね」

被告人=「ええ」

青木弁護人=「篠刈りというのは何ですか」

被告人=「竹の小さいやつ、自分のほうでは篠と言うんですけど」

青木弁護人=「すだれなんかに使うの」

被告人=「あれは"よしず"じゃないですか、あれじゃないです」

青木弁護人=「何に使うの」

被告人=「何か、籠なんか編む時に使うとか、そういうことを言ってたですね」

青木弁護人=「籠の材料にするやつ」

被告人=「ええ、そうです」

青木弁護人=「それを取りに行く」

被告人=「はい、そうです」

青木弁護人=「そして、取ってきた篠はどうするの」

被告人=「何か、籠屋へ売るか、そういうところまではちょっと判らないですけど」

青木弁護人=「籠屋へ売るのは、お父さんの仕事だから判らないと」

被告人=「ええ、判らないです」

青木弁護人=「ともかく、お父さんと一緒に取りに行く」

被告人=「ええ。山と言っても、これは遠くてね、柏原のほうですね」

青木弁護人=「その山は、雑木林の山と違うの」

被告人=「山本クロースっていうのは(注:1)、現在、入間川のすぐ裏なんですけれど、うちから北側の方ですね、ずっと」

青木弁護人=「どのくらいあるの」

被告人=「三キロぐらいです」

青木弁護人=「片道が」 

被告人=「ええ」

青木弁護人=「それは山小学校のほうの仕事がない時」

被告人=「ええ、そうです。それから大谷くにみちの仕事がない時です」

青木弁護人=「お父さんは、大谷くにみちの仕事に行ってるから、そのない時に、あんたと一緒に行くと」

被告人=「ええ、そうです」

青木弁護人=「すると、そういうお父さんの仕事に一緒に行くほかに、たきぎ拾いに行ったり、水汲みに行ったり、それから、うちの畑を耕していたということなのか」

被告人=「結局、親父がうちにいない時に、そういう山の仕事とか、そういう仕事をするんですね。篠なんか取りに行ったりするんです」

青木弁護人=「学校を欠席することが非常に多かったようだね」

被告人=「はい」

青木弁護人=「一〜二年、まあ三年くらいから多くなっているようだけど、結局それは、仕事があると学校を休むということなの」

被告人=「はい、そうです。百姓仕事が、自分はほとんど小学校ですけど、山小学校で仕事がある時はほとんど学校へ行かなくて、ない時はほとんど学校へ行っていたわけなんですね」

青木弁護人=「すると、仕事が多ければ休むのが多くなるね」

被告人=「そうです」

青木弁護人=「そのほかにも、学校を休むことがあったんじゃないの」

被告人=「ありました。雨降って傘がない時なんか」

青木弁護人=「雨が降った時に休む」

被告人=「はい」

青木弁護人=「それは」

被告人=「傘がないからです」

青木弁護人=「うちに傘がなかった」

被告人=「はい」

青木弁護人=「一本もなかった」

被告人=「はい、そうです」

青木弁護人=「だから行かれないわけだね」

被告人=「はい」

青木弁護人=「それから何か、学校へ出すお金が払えないで休む時もある」

被告人=「ええ、ノートなんか買えないとか、PTAの会費・・・・・・」

青木弁護人=「PTAの会費が払えないんで、そうすると、会費を持っていかなければならない日は休むと、そういうことかね」

被告人=「はい、そうです」

青木弁護人=「それから、ノートが買えないとか、写生に使う紙が買えないで休んだことがあるというんだけど、それはどういうことですか。ノートがなくて休んだというのは」

被告人=「結局、次の日、学校へ行って、明日はこういう課目があるからと先生に言われるんです。だからこういう紙を買って来なさいと、写生のわら半紙、そういうのを三枚くらい、次の日買って来なさいというんです。そうすると金がないから、結局学校へ行かないんです」

青木弁護人=「ノートは」

被告人=「ノートも当時確か五冊くらいですけど、あって、いろんな課目によって違うんですね、そのノートを買って来なさいと言うんです。自分持ってないから、そういう場合行かないんです。買えないから」

青木弁護人=「鉛筆なんかもほとんど持ってなかったということだが、そうかね」

被告人=「ええ、そうです」

青木弁護人=「鉛筆も買えなかった」

被告人=「ええ、持ってなかったです」

青木弁護人=「すると、教科書はどうしたの」

被告人=「教科書は、近所の、一年先輩の人から貰ったですね、不用になったやつ。当時はそれが使えたんです」

青木弁護人=「それで間に合った」

被告人=「ええ」

(続く)

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注:1  何か唐突に現われた感のある「山本クロース」という言葉は何だろうか。調べてみたがこれはネットの検索に対して何も引っかからない。しかし青木弁護人は問題もなく質問を続けている。いつかこの疑問が解ける日を願い一応、この言葉は頭へ入れておこうと思う・・・。