
①、上空より撮影された被害者の遺体発見現場。

②、同じく同方向から撮影された現場写真だが、周囲には野次馬たちの姿が確認出来ないことから①写真とは別の時期に撮影されたものと思われる。

③、①②とは反対の方向から撮影された写真。野次馬や報道陣の姿からみて撮影された時期は①と同日と思われる。
当時の状況を写真で見るも、果たして残土はどのように処分されたのか見当がつかない・・・。ところで①③写真を拡大して見ると、集まった野次馬が畑中に入り込み捜査状況を見物している。この写真内には芋穴やスコップの捨てられていた場所及び地下足袋跡のあった場所が含まれているが、現場保存のため規制線(ロープ)が張られていないことから、誰でも立ち入れる状況であったようだ。
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【狭山事件公判調書第二審4235丁〜】
『玉石と残土』
死体埋葬現場の客観的状況と自白内容との矛盾
弁護人=藤田一良
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七、おわりに
以上、玉石と残土の問題を中心にして、死体埋葬現場の客観的状況と、石川君が捜査官たちによってさせられた自白との間には、決定的な矛盾があること、従って石川君は、断じて真犯人であり得ないことを述べてきた。
裁判所の構成が変わったこの機会に、裁判官各位に、もう一度本件各現場を直接検証されることを希望したい。ペーパー・トライアルに陥ることなく、現場の状況を直接具体的に実感を以って理解することによって、容易に石川君の無実は確信できると信じるからである。
狭山差別裁判と呼ばれる、この裁判の石川君に対し、無罪判決を求める我々の立場を支援する多くの人々の誠実なエネルギーも、それぞれの人が実際に現地調査を行なった結果、善枝ちゃん殺しは、到底検察官が主張し第一審がこれを容認したような石川君の犯行ではないという確信を持たれたことと、それにも関わらず石川君は依然として拘禁されたまま現にこのような裁判がなおも継続しているという現実に対する、人間的な怒りが根底となっていることを、特に申し述べておきたい。
そして、直接に経験することが出来ない当時の状況については、残された写真や「物」等を、各弁護人の弁論を充分考慮しながら、裁判所において、今一度よく見て頂きたい。(実況見分調書添付写真以外にも、多くの現場写真が存することは明らかであり、その一部は、石川君が具体的に当審で言及しているが、これらのすべてを、検察官が弁護人らに開示されるよう求めるものである。)
死体発見現場の諸状況は、無言のうちに、しかしながら最も明確に、石川君の無実を裁判官に訴えているように思われる。裁判官各位が、静かにその声を聞かれるよう望むものである。
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以上が、藤田一良弁護人による弁論『玉石と残土』である。次回から中田直人主任弁護人による「"まとめ"捜査を批判し、無罪の判決を」との弁論へ進む。
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残土問題では弁護団や支援団体により再現実験が行なわれている。