アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 1258

(事件当時の川越高校入間川分校)

狭山事件公判調書第二審3857丁〜】

「第六十八回公判調書(供述)」(昭和四十七年九月)

証人=中根敏子(二十四才・会社員)

                                            *

裁判長=「あなた前に石川一雄の刑事事件なんですが、浦和の裁判所で証人に出たことありますか」

証人=「はい」

裁判長=「いつ頃ですか」

証人=「学生の時だったと思います。いつ頃だったか忘れてしまいました」

裁判長=「昭和何年頃ですか」

証人=「事件のあった年だと思うんです」

裁判長=「それは何年ですか」

証人=「三十九年か・・・・・・、よく分かんないです」

裁判長=「今からだいぶ前ですね」

証人=「はい」

裁判長=「その時、裁判所で述べたことを覚えていますか。記憶してますか」

証人=「ええ、多少ですけれども、あります」

裁判長=「一年のちで、何月頃に証人に出ましたか」

証人=「制服着ていたと思ったから暑い頃じゃなかったと思います」

裁判長=「あなたの裁判所で述べたという日を正確に言うと三十八年十一月十八日なんです」

証人=「はい」

                                            *

城口弁護人=「あなたは三十八年五月一日に起きた中田さんの事件について知っておりますね」

証人=「はい」

城口弁護人=「中田さんの級友でしたね」

証人=「はい」

城口弁護人=「学校は」

証人=「入間川です」

城口弁護人=「川越高校入間川分校」

証人=「はい」

城口弁護人=「学校にはどのような形で通学しておりましたか」

証人=「西武線を利用しておりました」

城口弁護人=「駅から学校までは歩いて」

証人=「はい」

城口弁護人=「中田さんはどういう方法だったか、ご存じですか」

証人=「自転車で通学してました、と思います」

城口弁護人=「それ、見たことございますか」

証人=「全然ないです。ただ自転車は知っていました」

城口弁護人=「通(かよ)って来るのを見たことはありましたか」

証人=「全然ないです」

城口弁護人=「帰るのは」

証人=「帰るのは時々見かけましたけれども」

城口弁護人=「場所はどこですか」

証人=「学校から帰るところを見たんです」

城口弁護人=「校門を出るとか、自転車置場から出るというところを」

証人=「はい」

城口弁護人=「どちらの方から通って来てどちらの方へ帰って行くかということについては」

証人=「あんまり知りません」

城口弁護人=「入間川の駅を中心に考えた場合、どっちに行くかということは」

証人=「それは分からなかったんじゃないかと思います。事件があって分かったんだと思います」

城口弁護人=「五月一日の授業について今記憶してるものはありますか」

証人=「ほとんどありません」

城口弁護人=「調理の時間があったということは」

証人=「ああ、それは」

城口弁護人=「その前の時間は何だったか覚えておりますか」

証人=「分かりません」

城口弁護人=「調理の時間に何を作ったかについて記憶ありますか」

証人=「カレーライスだったと思うんですけれども」

城口弁護人=「それは全員で作ったのか、班毎に作ったのかは」

証人=「班毎です」

城口弁護人=「一班というのは」

証人=「一班六人くらいでした」

城口弁護人=「それは同じ学年の方が班をいくつか構成して調理にかかるということですか」

証人=「そうです」

城口弁護人=「学年は何人でしたか」

証人=「十六人くらいだったと思います」

城口弁護人=「中田さんを入れて」

証人=「じゃないかと思うんですけど」

城口弁護人=「約三班出来た」

証人=「はい」

城口弁護人=「あなたは中田さんと同じ班でしたか」

証人=「ちょっと、忘れました」

城口弁護人=「カレーライスを作るのに材料はどういうものを使ったか、ご記憶ですか」

証人=「そうですねぇ、玉ねぎ、肉、あとじゃが芋もあったと思うんですけど」

城口弁護人=「トマトみたいなものは入れましたか」

証人=「入ってなかったと思いました」

城口弁護人=「福神漬けありましたね」

証人=「はい」

城口弁護人=「調理の時間というのは、カレーライスを作ってそれを食べてみるまでを言うわけでしょうね」

証人=「そうです」

城口弁護人=「何時頃食べましたか」

証人=「料理だから午前中と思うんですけれども」

城口弁護人=「食べたのは何時頃でしょう」

証人=「分からないです」

城口弁護人=「授業中に食べるのか、お昼近くなってそれをお昼の時間に食べるのを予定して、そういう段取りで作っていくということは特にしなかったんですか」

証人=「そういうことが多かったと思います。時間が組まれているのが」

城口弁護人=「それも、その頃食べたのかも知れないというのですか」

証人=「そうだと思います」

城口弁護人=「当日、六時間目まであったんですが、その終わる時間はご記憶ですか」

証人=「そうですねえ、二時四十五分頃じゃないかしら」

城口弁護人=「記録上は、授業の時間表によりますと二時三十五分なようですが」

証人=「はい」

城口弁護人=「その放課後のことを少しお聞きするんですが、あなたはその日の放課後、どういうことをしたかご記憶ですか」

証人=「そうですねぇ・・・・・・、友だちと雑談していたと思うんですけど」

城口弁護人=「いつもそういう形だった」

証人=「電車の時間まで待つために」

城口弁護人=「友だちというと、どういう人たちですか」

証人=「川越から来てた方だと思います」

城口弁護人=「名前は」

証人=「旧姓で町田さん」

城口弁護人=「雑談していただけですか。それとも何かあなた料理の関係の残務を、計算をするとか、その他、残って勉強をするとかそういうようなことは」

証人=「そういうことはないと思うんですけれども、ちょっと・・・・・・分からないです」

(続く)