アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 990

【公判調書3089丁〜】

               「第五十七回公判調書(供述)」(昭和四十七年)

証人=諏訪部正司(四十八歳・浦和警察署刑事第一課長)

                                           *

福地弁護人=「あなたはこの前に、裁判所で、六月二日以降は留置場の出し入れ関係の仕事をしているというようなことを証言してますね。六月二日以降は留置場の出し入れの仕事をしてましたか」

証人=「今の話ですが、六月の二日ですか。留置場の出し入れの仕事をしていたということですか」

福地弁護人=「うん。そういうことが記録に書いてあるんだけれども、そういう記憶ありますか」

証人=「六月・・・・・・そればかりはやってないですね」

福地弁護人=「そうすると、留置場の出し入れと、そのほかの仕事をしていたわけですね」

証人=「はい」

福地弁護人=「留置場の出し入れということに限って聞きますがね、留置場の出し入れというと、具体的にはどういうことをしていたんですか」

証人=「取調べだとか、接見だとか、それの出し入れですね」

福地弁護人=「そのための出し入れをですね」

証人=「はい」

福地弁護人=「具体的には、あなたの仕事はどういう仕事なんですか。つまりね、あなたが留置場へ出向いて行って、被疑者を連れてきて、取調室まであなたが運び込むのかね、それとも、そういう仕事は誰か部下にやらしていたのか、具体的にあなたの行動を聞いているんですが」

証人=「部下に留置場の出し入れはさしてますね」

福地弁護人=「そうすると、あなたは何をやっていたんですか、留置場の出し入れというのは」

証人=「それはどういう風なことになっておるか知りませんけど、留置人を出しなさい、あるいは、入れなさいということを、いわゆる、留置場の鍵は刑事課長が保管しておりまして、むやみにほかの人が開けないという、こういったことでして、それを私は鍵の保管をやってまして、直接出し入れには恐らく一度か二度ぐらい行った程度で、あとは係というか巡査の人とかあるいは、そのほかの人に任したわけです」

福地弁護人=「あなたは責任者ですね、いわゆるね」

証人=「はい」

福地弁護人=「留置場の出し入れをする時には、それを何か署内の帳簿と言いますかね、そういった記録に残すんではないですか」

証人=「これはあれですか、先ほど聞かれたような、同じことですが、一番はじめの弁護士さんにお答えしたようなことですが」

福地弁護人=「留置場の出し入れについては何か、それを記録に残すんですか、残さないんですか」

証人=「出入簿というのはあります」

福地弁護人=「そうすると、石川被告を留置場から出し入れしたことはその出入簿に記載されたんでしょうね」

証人=「されていると思います」

福地弁護人=「それは誰が書くんですか」

証人=「それは留置場の看守の人が書いているわけですね」

福地弁護人=「現在でもそれをやっているんでしょうね」

証人=「現在もどこでやっているんですか、どこという意味ですか」

福地弁護人=「あなたが現在勤めている警察で、そういうことをやっているんですかという意味ですがね」

証人=「今、私がやっている職務ということですね」

福地弁護人=「ええ」

証人=「やっております」

福地弁護人=「そういう記録というのは、どの程度保管しておくものですか、一般には」

証人=「何年保存だか記憶がありませんが、恐らく五年くらいで、みな焼却しているかしているわけです」

福地弁護人=「石川君の出し入れが記載されてある記録が現在残っているかどうかについて、あなた記憶ありますか」

証人=「ありません」

福地弁護人=「ありませんか」

証人=「分かりません」

福地弁護人=「これも一般的に聞いてみますが、、当時の狭山警察でもいいし、現在あなたが勤めている警察の扱いでもいいですけれども、留置場に入っている者が現金を使う場合がありますね」

証人=「はい」

福地弁護人=「その現金の使用関係について警察では記録をしますか、しませんか」

証人=「記録をします」

福地弁護人=「それはどういう書面ですか。どういう記録ですか。記録の名前、名称」

証人=「金銭出納簿というのがありましてね、そこに登載しているわけですね」

福地弁護人=「それはやはり看守の人が記載するんですかね」

証人=「署によってまちまちです」

福地弁護人=「狭山署時代はどうですか」

証人=「忘れました」

福地弁護人=「今は」

証人=「今は看守係がやってます」

福地弁護人=「看守でない人がやる場合があるんですか」

証人=「これが浦和署と狭山署、あるいはまた、小さいところの署、それは画一的には申し上げられません。それで、狭山のことについては忘れました。記憶がありません」

福地弁護人=「浦和ではどうですか」

証人=「金銭出納ですか」

福地弁護人=「ええ」

証人=「浦和では看守係がやります、専務員」

福地弁護人=「そうすると、看守以外の者がやると、あなたがさっき仰ったけれども、看守以外の者がやるかどうか、分からないわけですね」

証人=「只今の質問は浦和署の場合と狭山署の場合と、あるいは前の春日部署の場合と、これは・・・」

福地弁護人=「そういう持って回った言い方でなくて、看守が記載しない時にはあるいは、担当の刑事が記載することがあるかどうか、はっきり言って下さい」

証人=「その通りです」

福地弁護人=「担当の刑事が記載する場合があるんですか」

証人=「担当の刑事、あるいは庶務を担当する刑事が」

福地弁護人=「そういう風に素直に言ってもらえれば早いんですよ。それから、あなたがね、留置場の出し入れに関与されておったから分かると思うんですが、留置場の御飯を食べなくなったということはありましたね、知ってますか」

証人=「そのような話をあとになって聞きました」

福地弁護人=「あとになってというのは、いつ頃ですか」

証人=「そのようなことがあった、まあ直後くらいでしょうか」

福地弁護人=「誰から聞きましたか」

証人=「忘れました」

福地弁護人=「なぜ食べなくなったか、その理由についてはどういう風に聞いておりますか」

証人=「私なりにその話を聞いておりますから、これは、たまたま狭山署におきましては、これは魚竹という官弁屋からとっているわけです。官弁屋といっても、これは入間市の料理屋さんで」

福地弁護人=「結論から言って下さい、どういう理由で」

証人=「前の狭山署の時には、おかず等がよかったから、それで川越の時には官弁専門のところで、おかずの甲乙があったということです。それで食べなかったと思います」

                                            *

裁判長=「あなたはね、それは誰から聞いたのか、本人から直接聞いたのかということを聞きたいらしい」

証人=「直接ではなく、これは私が感じたことです」

                                            *

福地弁護人=「そういう、彼が食べなくなった時期がいつ頃だかは記憶ありますか」

証人=「川越の分室、警察署に移されて後だと記憶してます」

福地弁護人=「移されて以後ですか、移されて何ですか」

証人=「あとです。川越へ行ってから後のことです」

福地弁護人=「行って、どのくらいあとだという記憶ですか」

証人=「その点は忘れました」

福地弁護人=「何日くらいそういう御飯を食べない時期が続いたか、どの程度の期間それが続いたか、記憶ありますか」

証人=「忘れました」

(続く)