アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 969

 

【公判調書3033丁〜】

                   「第五十七回公判調書(供述)」

証人=諏訪部正司(四十八歳・浦和警察署刑事第一課長)

                                            *

裁判長=「前回証人として聞かれたのは、いつごろか覚えていますか」

証人=「三年か、四年前です」

裁判長=「年で言うと」

証人=「忘れました」

裁判長=「何回くらいですか」

証人=「三、四回ですが、その中で、全然なくて帰ったこともあります」

裁判長=「実質上調べられたのは」

証人=「三回です」

裁判長=「あなたの、警察官としての経歴を概略述べて下さい」

証人=「昭和十九年四月十五日、埼玉県警察官を拝命致しまして、同年八月十五日、大宮警察署に勤務を致しました。その時には外勤警察官及び、当時警防係というのがありました。消防団関係です。それから昭和二十二年、埼玉県警察本部の経済防犯課の渉外係をやりました。昭和二十三年二月七日、巡査部長に昇任致しました、で、大宮警察署教養係を命ぜられました。同年三月七日、警察本部秘書企画課、秘書主任を命ぜられました。昭和二十七年三月、飯能警察署勤務を命ぜられました。警部補に任官致しました。外勤、警邏、交通係長、その後二十八年に寄居警察署警備係長、三十一年の五月に警察本部秘書課。本部では文書兼公安委員会係長で、やはり警部補です。昭和三十六年十二月一日、狭山警察署刑事課長を命ぜられ、警部に昇任致しました」

裁判長=「刑事課には一課、二課はないのですか」

証人=「ございません。昭和三十九年三月、所沢警察署刑事課長になりました」

裁判長=「ここも刑事課は一つですか」

証人=「そうでございます。それから四十年三月、本庄警察署次長、四十一年同じく吉川警察署次長・・・」

裁判長=「どのへんにあるのですか、それは」

証人=「千葉県に隣接しております、野田の隣接、葛飾のほうです。吉川署に一年で、そのあと、関東管区警察学校教官を二年やりました。次に、埼玉県春日部警察署に昭和四十四年、次長になりました。昭和四十五年七月、浦和警察署刑事一課長を命ぜられました」

裁判長=「今の地位ですね」

証人=「はい」

裁判長=「浦和警察署には、刑事一課と二課があるわけですか」

証人=「そうです」

裁判長=「所管が違うわけですか」

証人=「はい」

裁判長=「あなたのほうは何ですか」

証人=「凶悪事件、窃盗事件傷害事件を扱っております」

裁判長=「今の身分は何ですか」

証人=「埼玉県警部です」

裁判長=「さっきあなたは、前に調べられた期日は記憶しないと言いましたが、前に調べられたのは、当審の四十年十二月十四日第十回公判で初め調べられて、それがその日で終わらず四十一年一月十一日第十一回公判で調べられている。そのほかにも来たけれども取調べの出来ない日もあったかと思いますが、実質上、その二回ですね」

証人=「はい」

                                            *

石田弁護人=「あなたは、狭山署で石川一雄君を逮捕し留置している時点で、留置場からの出し入れの仕事をやっておられましたね」

証人=「全体的なそのようなことはやっておりませんが、やっておりました」

石田弁護人=「それでお伺いするんですが、狭山署に石川君が留置されている際、石川君に面会に来た人にはどんな人がありましたか」

証人=「面会はないと思います」

石田弁護人=「じゃ、石川君に面会に来た場合には、あなたが直接、会う手続きを取るかあるいは部下が取るかは別として、あなたの手を経るわけですね」

証人=「まあ、主として、経たと思います」

石田弁護人=「たとえば弁護士が面会を求めたことはあるわけでしょう」

証人=「ございます」

石田弁護人=「弁護士以外にも面会を求めた人があるのではありませんか」

証人=「記憶ございません」

石田弁護人=「検察官は狭山署に来て取調べをしてましたね」

証人=「はい」

石田弁護人=「それは逮捕直後からだったでしょうか、検察官が狭山署に来て被告の取調べをしたのは」

証人=「明確に記憶ございませんが、今の感じでは、検察官は来ていると思います」

石田弁護人=「来はじめた時期は逮捕直後からでしょうね」

証人=「四十八時間という警察の持ち時間と検察官のほうの持ち時間がありますから、そのように考えられます」

石田弁護人=「記憶としてどうですか、刑事訴訟法の時間の規定からじゃなくて、あなたの記憶から」

証人=「あると思います」

石田弁護人=「検察官が被疑者である被告を取調べたこと、あるいは弁護士が面会に来たこと、それ以外に面会に来た人はありませんか」

証人=「記憶ございません」

石田弁護人=「たとえば、被告の家族はどうでしょうか」

証人=「面会と差入れの二つに分かれます」

石田弁護人=「それで、面会についてはどうでしょうか」

証人=「記憶がございません」

石田弁護人=「差入れは、どうですか」

証人=「下着類は差入れた記憶はあります」

石田弁護人=「何回かあったんでしょうか、差入れは」

証人=「二、三回程度ではないかと思います」

石田弁護人=「あなたは、東島明という青年、あるいは石田一義という豚屋を経営している人が、石川君が逮捕されてしばらく経って同じく逮捕されたことを覚えておりますね」

証人=「はい」

石田弁護人=「その東島明、あるいは石田一義といった人たちを取調べたことがありますか」

証人=「ありません」

石田弁護人=「では、東島明、石田一義という人たちを逮捕する際の逮捕状請求の疎明資料として、石川一雄君から供述調書をとったことがありますか」

証人=「ありません」

(続く)

                                            *                                        

○石川被告が狭山署に留置されていた時期に、弁護士を名乗る男や、当時の狭山市長の名を騙った男らが面会を求め現われたというが、これらの人物の正体は不明のままである。