アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 966

(・・・・・・何かいる。入間川河川敷にて一杯やっていたところ、私はただならぬ気配を感じ、身を伏せながら辺りを見回したところ、この生物がこちらをロックオンしていた。もしここが戦場であったならば、私はすでに狙撃され死んでいたのでは、などと極端な妄想をしつつ、そっとその場を撤退した・・・)

【公判調書3021丁〜】

                  「第五十六回公判調書(供述)」

証人=遠藤  三(かつ)・七十歳

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宇津弁護人=「あなたも認められたんで確認するんですが、まあ、いわゆる正式の取調べじゃなくて、あなた方と石川君がいろいろな事件のことで、まあ雑談をされることに関係して、図面を書いてもらったということもあることはあるわけですね」

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山梨検事=「よく質問聞いて下さいよ、今、雑談ということで聞いているんですよ、雑談ですよ」

証人=「雑談もとにかく取調べの内に入っているんですよ」

山梨検事=「そこをはっきり言って下さいよ、雑談で死体発見した場所などの話をしたかということを言ってるんですからね、雑談ということですからね」

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宇津弁護人=「検事さんが気にするから確かめるんですが」

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山梨検事=「いや、そこをはっきり答えて下さいよ、弁護士さんはそこのところをぼんやり出しているからね。雑談というのは問題ですよ」

宇津弁護人=「検事さん、尋問に異議があれば出してくれませんか」

山梨検事=「いやいや、そこお分かりになれば結構ですよ」

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宇津弁護人=「私は石川君がどう答えたかということで質問しているんじゃなくて、先ほどの質問は繰り返すようになるかも知れませんが、自白調書の出来る前の段階で、石川君がどう答えたかは別として、あなた方と石川君との間で、死体が出たことに関してとか、ゴムひもがいつどこから出たんだよというような、まあ雑談と言っても事件に関するような話題が出たことがありますか、というようなことを聞いたんです」

証人=「だからありますと、その雑談についても・・・」

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山梨検事=「今の雑談ということですが、むしろ被告人に教えたかということですよ。どこどこから死体が出たんだよ、どこどこからカバンが出たんだよとかいうことを教えたかという意味ですよ、今の弁護士さんの意味は、そういう風に聞いているんですよ」

証人=「そんなことはありません」

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宇津弁護人=「弁護人の質問はそういう趣旨で聞いているんじゃないんですよ」

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裁判長=「その点はその通り調書に書いてありますから」

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山梨検事=「私はそういう風にとにかく念を押しておきますから」

裁判長=「それは検察官のご質問ですから、それは検察官がそうとられた上でご質問されるのならば・・・」

山梨検事=「そういう風に死体の発見場所、あるいは教科書の発見場所その他いわゆる客観的な事実について被告人にいわゆる、教えたことになるんですが、そういうことはありましたか、自白する前に」

証人=「教えたことはありません」

山梨検事=「それから先ほど弁護士さんが六月十八日付の調書が、あなたが立会人ということで取られていると言われたんですが」

証人=「はい」

山梨検事=「(当審二七六二丁の供述調書を示す)四項に六月十八日の時点で、すでにいわゆる三人説ですか、ということを匂わしているわけですね」

証人=「はい」

山梨検事=「それと、それから先ほどの関さんの供述との関係はどうなるのか分かりませんか」

証人=「・・・・・・・・・・・・」

山梨検事=「関さんのはそのあとの二十日付になるんですが」

証人=「これは、そこのところが、先ほども申し上げたように関さんがどうして入って来たのか、ということをはっきり申し上げられないのが残念なんですが、この三人説から引き続いて関さんが、これに基づいてということじゃございませんけれども、石川君が関さんに三人だということを話されたことと思いますよ」

山梨検事=「この調書では、詳しいことは裁判所で話しますというような言い方をしておりますね」

証人=「ええ」

山梨検事=「これはまあ念の為にお聞きするんですが、この書き出しは『お調べの事件は』と書いてあるんですが、お調べの事件は、というのは何のことでしょうか」

証人=「お調べの事件は、というのは、いわゆる狭山の中田善枝さんの事件ですね」

山梨検事=「当審になって被告人は、このことはジョンソン基地からスクラップを盗んだことだという風な言い方をしているんですが、そういうことを裁判所で言うつもりだったという風に言っているんですが、そういうことは考えられますか」

証人=「考えられません」

山梨検事=「この一つ前の六月十二日付調書を見て下さい。(同二七六〇丁の供述調書を示す)この調書には署名がないんですが、これも大体、裁判所に行って全部言います、警察にいるうちはどうしても言えません、悪い事は隠し通せるわけではありませんから弁護士さん立会いで決りをつけますと、これは十二日ですから、再逮捕の前ですね」

証人=「分室に行く前の清水警部が取った調書のようですが」

山梨検事=「署名しなかった理由はお分かりですか」

証人=「これは幾日でしたか、私、途中から狭山の調べに入ったわけです。最初からじゃないんだけれども二日か三日経ってからだと思います。石川君が狭山の警察に行って私がそこへ勤務を、行ってくれということで行ってますが、どうして署名をしなかったかという点については、はっきり記憶ございません。清水警部に聞かなくちゃ分かりませんなあ、どうしたのかなぁ・・・・・・」

(続く)

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○ここでもう一度、山梨検事が遠藤証人(元警察官)に問うた場面を見て見よう。

 

山梨検事=「当審になって被告人は、このことはジョンソン基地からスクラップを盗んだことだという風な言い方をしているんですが、そういうことを裁判所で言うつもりだったという風に言っているんですが、そういうことは考えられますか」

証人=「考えられません」

 

二人の問答はいとも簡単に完結し、そのやり取りからは、あくまで石川被告が狭山事件の犯人であるという前提が彼等の頭を占めていたことが分かる。けれども石川被告にしてみれば、自分が無関係である狭山事件よりも、実際に彼が犯したスクラップ窃盗や、鶏やら端材の盗み等に対する贖罪の念が強く、警察の世話になることが決まった以上、これら全てを裁判所で語ることを決めたのである。