アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 487

【公判調書1597丁〜】

「現場足跡は偽造された」                                植木敬夫

二、足跡採取の怪

(二)、『第二の足跡についての記載もまた奇怪至極なものである。

それは、農道から畑の中を西に向かって「十八ヶ」あったという。それは畑の中途で消えている。その先のことは書いていないから、調書の文章からは、当然その先には足跡が無かったということになる。何しろ調書の末尾には「此の他見分中資料の発見に至らなかった」と書いてあるのであるから、このことを疑う余地がない。もっとも、二審証人長谷部梅吉は、このことについて弁解を用意していた。彼は、この足跡は犯人の潜んでいた地点まで続いていたという。

実況見分調書の中のおかしな部分を後になって「言葉」で補うのは簡単であるが、しかし、それによって事実が隠蔽出来たかどうかは自ずから別問題である。

われわれは、長谷部に対して次のように質問してみたい。

実際に足跡が続いていたものなら、なぜ、そんなにも簡単なことを書かなかったのか。見分者は現に第三の足跡について、わざわざ「三十米に亘」っていたと書く知恵と能力を持っているではないか。また、実際に足跡が続いていたとしたら、なぜ、その中から、わざわざ「十八ヶ」と特定した足跡だけを指示したのか。または、指示することができたのか。また、この足跡が犯人の潜んでいた場所まで続いていたのであれば、その附近の見分で、第一の足跡以外にも足跡が当然あったことになるのに、なぜ、第一の足跡「一ヶ」しか発見できなかったのか。

これらの質問に長谷部は答える術がないであろう。つまり、彼の証言は思いつきの嘘にすぎない』

*次回、(三) へ続く。