アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 426

【公判調書1438丁〜】証人=遠藤 三(六十七才)・元警察官

裁判長=「謄本を取ったという人は誰ですか」

証人=「清水輝雄部長、井上部長、今は警部になっていると思いますが当時は部長でした。それから平野部長、そのほか狭山署の警察官」

裁判長=「今名前を挙げたのは県警本部の警察官ですね」

証人=「そうです。ほかに狭山の警察官も二、三人いましたが名前は記憶していません」

裁判長=「その人たち全部の人がその部屋にいて、そういう仕事をしていたのですか」

証人=「そうです」

裁判長=「全部の人がその部屋に入ったきりで、そういう仕事をしていたのですか」

証人=「常に全部ではなく休んでいる人もいましたが、とにかく今言った人が謄本を取っていました」

裁判長=「供述調書の謄本も取ったのですか」

証人=「はい」

裁判長=「図面の謄本も」

証人=「はい」

裁判長=「謄本を取っているところを見たことがあるのですか」

証人=「あります」

裁判長=「石川が図面を書いたその日に、その図面の写しを取るのです」

証人=「大体その日でした。その日と言うより即座に取っているのもありました。従って綴らない内に取ったのもあると思います。綴ってから取ったのもあると思います」

裁判長=「図面が出来ると誰かが取りに来るのですか、それとも謄本を取る部屋に持って行くのですか」

証人=「たまに調室に来たこともあり茶を持って来たこともあり、そのついでに持って行って謄本を取ったこともあります。それから、急ぎの場合というと語弊があるかも知れませんが、綴じないうちに謄本を取ったのもあります」

裁判長=「青木警部が、早く謄本を取れと指図するのですか、それとも証人が催促するのですか」

証人=「私はしません。主任官がします」

裁判長=「石川の取調べは夜にわたることがあったでしょう」

証人=「ありました」

裁判長=「謄本をその日に取るとすると夜になりますか」

証人=「夜になった時もあると思います」

裁判長=「夜にならないうちに取ることもあったのですか」

証人=「ありました」

裁判長=「今日出来た図面を明日写すとか、明後日写すとかいう風に時間的に隔たりのあることもありましたか」

証人=「あったかも知れませんが、そういう記憶はありません」

裁判長=「謄本はどういう方法で取ったのですか」

証人=「初めから終いまでどれもこれもということは記憶しておりませんが、図面の上に、いわゆる改良半紙というのを載せて鉛筆で取った人もいるだろうし、あるいは鉄筆で取った人もいるだろうし、それはいろいろだと思います。誰がどういう風に取ったということは記憶ありません」

裁判長=「証人が見たときには、図面の上に改良半紙を載せて鉛筆で写しているのを見たのですか」

証人=「それも見ました」

裁判長=「改良半紙の上から鉛筆以外のもので書いているのを見たことがありますか」

証人=「記憶ありません」

裁判長=「すると、見たのは鉛筆で書いているのだけですね」

証人=「はい」

裁判長=「改良半紙一枚を石川の書いた図面、これを原本というと、その原本の上に置いて書いたのですか」

証人=「はい」(続く)

*近所の老婆から柿を頂き焼酎と共に食す。老婆いわく、柿(渋柿でも可)の“へた”部分にブランデーを垂らし、ビニール袋に包んで冷蔵庫で一晩寝かせると、高級フルーツ並みの味覚に変わるらしい。興味をそそられるレシピだが、老生にとって柿そのものが既に三つ星デザートであり、それとは別に、年季の入ったもんぺを履き修繕をほどこした“ちゃんちゃんこ”を羽織った老婆から、ブランデーなる単語が発せられたことに驚きを隠せなかった・・・。