【公判調書1375丁〜】(ここで調書1372丁にて弁護人により請求された“検察官手持証拠の提出”が、どうやら実現したようだ。早速見てみよう)
実況見分調書
被疑者石川一雄に対する強盗、強姦、殺人、死体遺棄、及び恐喝未遂被疑事件につき、本職は次のとおり実況見分した。
昭和三十八年六月三十日
狭山警察署助勤 埼玉県警察本部防犯課 司法警察員 巡査部長 神田 正雄 印
○実況見分の日時
1.昭和三十八年六月二十八日午后零時二十分〜午后一時三十分。
2.同年 同月二十九日午后零時零分〜午后一時五分。
○実況見分の場所身体又は物
狭山市入間川二八六一番地・元中川昇一方(現在、藤松高木方)、同所・椎名稔方及びその付近。
○実況見分の目的
被疑者石川一雄の供述に基づき、本件犯行に使用した荒縄を窃取した現場の状況を明らかにして、証拠保全のため。
○実況見分の立会人、住居、職業、氏名、年令
1.東京都西多摩郡福生町、中川昇一の妻無職中川ゑみ子二十八才。
実況見分の経過
被疑者、石川一雄の供述に基づき、本件被害者の死体を縛った荒縄を窃収したその現場を見分のため、本職は、司法警察員巡査部長・今泉久之助、同・石川金五、司法巡査・本田進、同・吉沢実の四名を補助せしめて、この実況見分を実施した。
一、現場の位置及びその付近の状況
1. 現場は西武新宿線入間川駅から直線にして東方約四五〇米離れた地点であり、入間川駅前から市道通称入曽街道方面へ約六三〇米東方へ行った地点の道路の左側に、概ね北方へ通ずる市道(巾約二米)があるが、この市道を入り約三〇〇米行った所が、元中川昇一方の居宅がある。
2. 中川昇一の元居宅の南隣が椎名稔方であり、その近くには二軒住宅があって、その周囲は空地、麦畑(麦を刈った畑)、桑畑、茶畑、とうもろこし畑等であり、平坦地である。さらに、概ね南方の小高い地点には雑木林がある。また、この現場から東北方へ約一二〇米経た地点に市営旭団地があり、西方約一〇〇米経て住宅があり、さらに西北方約二〇〇米経て、市営南祇園団地がある。(別添略図第一のとおり)
(続く)