弁護人は、実況見分調書添付の写真を1号から37号まで順に提示し、被告人が取調室で警察官から見せられたという写真を記憶喚起させ照合してゆく。しかし、この件に関しては被告人の記憶は定かではなく、その目的は果たされなかったと思われる。
弁護人=「精液を出させれば分かると原検事から言われたというが、原検事から強姦のときの模様について何か言われたことがありますか」 被告人=「どういう風にして、どういう風に殺したかと言われ、実地検証をやってみろと言われてやってみたら、その次の日に原検事さんが来て、ゆうべ、かあちゃんと試してみたらそんなことでは殺せなかったというのです。 弁護人=「どこが出来ないという説明をしましたか」 被告人=「片手で首を絞めながら姦淫を遂げたら、片手ではとても殺せない、と言われました」 弁護人=「あなたは片手で首を押さえながら性交する仕草をしたわけですか」「そのほかに原検事から言われたことはありませんか」 被告人=「両手だろうと言われました」 弁護人=「パンツをどうしたかということについて何か言われましたか」 被告人=「言われました。最初、少ししか降ろしてないと言ったら、一日経ってから、実地検証してきたらそれでは出来ない、もっと下げただろうと言われました。それから大体膝まで下げたと言ったと思います」 (続く)