アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 257

【公判調書1172の6丁】引き続き弁護人は、石川一雄被告人が取調の過程で虚偽の証言を行なってゆく模様を解明するため(と、私は解釈している)問答を進める。弁護人は、被告人が五月一日午後五時頃、雨が降る入間川駅前で石田養豚場の車を目撃した事実を確認、そして三人犯行説を告げていた時の殺害場所の供述、これは虚偽の証言であるが、場所はお寺の近くで、その地図も描き当局へ渡したこと、これらを被告人から引き出しさらに踏み込んだ問いを行なう。弁護人=「あなたが殺したと言ったそのガセのことについて、取調官から教えられたことがありますか」被告人=「芝が刈ってあるという事も一致したということ、それからウイスキーの瓶があったということです」弁護人=「それはどういうことですか」被告人=「三人説の時、芝生の刈ってある所で殺したと言ったら、これがあったらしいんです。ウイスキーの瓶のことは、ウイスキーの瓶があったが、どうしたと、向こうから言い出したのです。自分には分からなかったので答えることは出来ませんでした」弁護人=「それから」被告人=「自分が当時○○(被害者名)ちゃんを知らないものですから、小学校の方へ自転車で行って帰って来たら、○○ちゃんが死んでいて、そこに木の枯葉がかけてあったと言いましたが、その枯葉もあったと言っていました」弁護人=「ウイスキーの瓶について警察官は何か言ってませんでしたか」被告人=「三人で飲んだろうと言いました。自分は酒好きだけど、ウイスキーは飲んだことがないので答えられなかったです」弁護人=「芝生を刈った場所の付近に自動車の跡がある、ということは言われませんでしたか」被告人=「言われました。金子よしはるという、兄貴の友達の車ではないかと随分責められたのです」弁護人=「自動車の跡があるということは警察で教えられたことですね」「その車の事で責められたというのはどういうことですか」被告人=「その当時、俺が金子の所に仕事に行ったりしていたから、その車で運んだろうと言われたのです」弁護人=「三人でやって死体になったのを、金子の車で運んだろうと言われたわけですか」被告人=「そうです。その前狭山にいた時、河本検事さんにそれを言われたです」・・・・・・・・・。今、こうして読んでみると、この第二十六回公判は狭山事件発生後の石川一雄被告人が体験した事実、それが明らかにされ、被告人の語り方は身の回りに起きた事を率直に述べ不自然さは感じられない。警察での自白調書に見られる違和感に満ちた文章とは対極をなす。(続く)                         
この引用の仕方は雑であるが、一枚目の情報を頭に入れ、二枚目の写真を拡大すると意味が分かる。(写真は“無実の獄25年・狭山事件写真集・部落解放同盟中央本部中央狭山闘争本部編・解放出版社より引用)