アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 209

狭山事件裁判を自分の頭で理解するため、公判調書を読み、引用、抜粋し備忘録としてブログを書いているが、ここで日付の表記について触れておきたい。例えば次の日付があるとする。「昭和38年12月12日」これは「昭和三十八年十二月十二日」とも表記できる。だが、これが公判調書で表記された場合、「昭和三八年一二月一二日」となる。理由は分からないが、同じ年月日である事は間違いない。そこで当初、私はどちらかに統一して表記しようかと迷ったが、やはり、ありのまま写し取る事が優先すると判断し、実行することにした。私が振り返りブログを見た時、「38年」が「三八年」であれば調書からの引用、「三十八年」であれば私自身の表記であると決定した。よし、スッキリした。さて、公判調書に戻る。1098丁には弁護人による新たな「事実取調請求書」が載っている。「昭和四三年七月一八日付事実取調請求書による事実取調請求は撤回し、次のとおり請求する」という内容であり、提出された日付は昭和四十三年八月六日である。その請求内容は、五名の証人の名前が表示され、それぞれに対する尋問事項が並んでいる。証人の名前を見ると「長谷部梅吉」や「青木一雄」など、この事件を知る者ならば心当たりのある名前が並ぶ。中でも突出して尋問事項が多い証人は、五番目に名を連ねた「高村 巌」である。警察・検察側の筆蹟鑑定人であり、脅迫状の筆蹟と石川一雄被告人の筆蹟は同一と鑑定した方である。この「高村 巌」に対する尋問事項は九項目に及ぶ。⑴証人の経歴及び過去の筆蹟鑑定について。⑵本件鑑定において証人がとった鑑定方法とその科学的根拠如何。⑶サンプリング抽出の方法及びその基準並びにその科学的根拠はどうか。⑷対照筆蹟との類似性を判定する科学的基準と本件鑑定におけるその具体的適用状況如何。⑸筆蹟鑑定における相異性の重要性とその判断方法について。⑹本件鑑定資料につき、いかなる相異性が存在したか。⑺筆者の心理状況は、配字、字画、筆勢等にいかなる影響を与えるか。その判定の客観的、科学的に妥当な基準があり得るか。⑻筆蹟鑑定を真に科学的たらしめ得る法則如何。⑼右に関連する一切の事項。………以上、九項目である。堅牢な、逃げる隙間がない程の尋問事項である。果たして高村 巌筆蹟鑑定人はこの弁護団の尋問に対し、納得も得心もさせ得る返答が出来るのか、調書を読み進めて行こう。(続く)                                                                  

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(狭山事件公判調書と共に併読している「下山事件全研究・佐藤 一著」であるが、本書で批判される下山事件本は概ね購入済みである筈と、我が書斎を捜索開始したが見つからず途方に暮れる)                        

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(この古本山のどこかに潜伏中なのである。そして今、整理整頓の重要性に気付いたのであった)