アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 181

- ロカール・戸谷の理論 - 「血液型のような、個々の筆蹟に内在する判別因子が発見されていないのであるから、孤立被検文字の鑑定は抛棄しなければならないことは以上に述べた。そこで残る手掛りは必然的に、十分な数の同じ被検文字の集団(集団被検文字、被検文書)によって筆者を問う方法はないか、ということになる」                                                                                                                                                                      - 内包判別因子と外延判別因子 -「ここで、次のことに着目する。動植物のような生物体のあるものは、『種』の特徴を各個体の中に(血液型のように)内在的に持つ他に、その同族の集団の仕方、例えば、ある高山植物に特有の群落の仕方、あるいは、ある蟻の種類特有の巣の作り方等においても『種』の特徴を発揮する。時には、個体に内在する特徴を調べるまでもなく、その集団の在り方だけで、確かな分類が出来ることもある。血液型のように、個体ごとに内在する判別因子を内包判別因子といい、集団の仕方の固有性を、これと区別して外延判別因子という。外延判別因子こそは、現在唯一の筆蹟鑑定の判別因子なのである」       - 筆蹟における外延判別因子 -                                             

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「第一図の a で示す棒グラフは、ある人 “甲 ”の書いた一万個の『天』を、第一画と第二画の長さの比にしたがって分け、この比の値を横軸に取り、個々の比の値に属する『天』字の個数相互の割合を百分比として棒の高さで表したものである。これは “甲 ”の書いた『天』についての上記の比の群落模様である(煩雑を避けるため、以下『天』に関する上記の比をR1と略記する)。理解を助けるため、これをある高山植物の標高別群落密度に換言しよう。いま比 1.0 を標高 1.000メートルに例えると、第一図の a は、この植物が標高1.200メートル辺りから群落が密になり始め、1.300メートル辺で最内密生度を示し、1.400メートルを過ぎると急に繁茂しなくなる、ということで、こういう標高別分布模様が、その植物であることを示す手掛かりになる、ということである。この事と、単に、例えば『標高1.250メートルの所にその植物が生えていた』という記載とは、厳重に区別すべきである。こういう記載だけでは、他の高山植物もその高さで容易に発見出来るので、そのことは群落模様のようにその植物の特性に結びつかないのである。これを筆蹟鑑定に換言すると、前記R1の『比』と、R1の比の『分布』とは、極言すれば何の関係すらないのである。より分かりやすく言えば、“ 甲 ”の筆蹟から、ある特定のR1比(例えば1 . 1 )を持つ『天』が一つでも、いくつでも見つかった事と、R1比の分布論とは何の関わりもない、ということである」・・・(続く)。私は今、狭山事件公判調書を読んでいる筈である。ここまで深い所へ来てしまうと、私は何を読んでいたか定かではなくなる時がある。ついでに、私は誰だっけ?ここはどこ?とまでエスカレートする場合もあり、気を付けて読み進めたい。