アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 147

北海道大学教授 : 戸谷 富之鑑定人の報告は続く。「3の1、相同性、相異性の統計的意味、及び3の2、稀少性、常同性の統計的意味というのは、結局分布としての比較をするのでなければ、相同性、相異性の比較ということは、真実はできないわけです。適当なものを選んできて、それは似ているとも似ていないとも言えない非常に主観の混じったものになってしまうわけです。そういう分布として比較する上で、稀少性、常同性は統計的にどういう意味をもつかというと、稀少性は分布が他の人の分布と離れたところにある。そういう分布であれば稀少性をもつ。常同性をもつということは、その分布がかなり難い、他の人の分布と重ならないようなものでなければいけないわけです。これに対し"筆跡鑑定と裁判2 "八十三頁以下で、佐々木信雄は判別因子という言葉を使っています。どういうものが判別因子になるか、判別因子が日本字においてどういうものが判別因子たり得るか、ということの研究がなされなければいけないということを言っておるわけでありまして、例えば血液のようなものは一つの判別因子になるわけであります。佐々木信雄はそういうものはこれを内包判別因子と言っております。また、筆跡のようなものはこれを外延判別因子と言っており、外延判別因子としての字の特徴はどういうところになければいけないかということになるわけであります」・・落ち着いて読めば私にも理解できる内容であり、一安心である。戸谷報告に目を通してきたが、これ程まで筆跡の鑑定について掘り下げた内容を知ると、狭山裁判における、検察側の鑑定人らによる鑑定方法が余りにも稚拙であると、そう思わざるを得ないのである。 

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( 程よく肥えた野良猫である。某公園内に鎮座し、来園者に睨みをきかせる)