
ロカールという人がフランス語のムッシューという字について鑑定した、その一例ですが、その第六図を見ると横軸の方にm1・m2・m3とmが三つ書いてあります。mという字は縦棒が三つ並ぶわけで、そのm1・m2・m3というのはm1はmの最初の縦棒、m2はmの真中の縦棒、m3はmの最後の縦棒の高さを表したもので、sという字の高さ六を基準にして、最初のmの最初の縦棒の高さ、二番目のmの真中の縦棒の高さ、三番目のmの最後の縦棒の高さ、oという字の一番上と下の高さ、nは二つ縦棒がありますからm同様その二つの縦棒を例えばとってやる。それからsの高さ、i ・cの高さ、uも二つ縦棒がありますからm同様その二つの縦棒の高さ、rの高さ、こういったものをある一人の人が書いた幾つかの字を平均して高さの分布を書いてみると、第六回の実線で書いたような恰好になる。これを言葉でいい直すと、実線で書いた人の癖というのは、mという字の最初は割合に高く、後のm二つは、その半分に近い程短い、そしてoはかなり大きく書いて、nは小さく書く、そしてsに比べてiもの小さく、e、u、rの中u二つの縦棒が割合平均的な大きさで最後のrが大きくなっている。こういうパターン即ち図形が得られる。また、別の人について同じムッシューという字をいっぱい集めてそれの平均値を書いてみたら、線で書いたような真中のsの字が一番高くて両端の方が低いというような書方をしている。そういうパターンをとってみると割合に各個人の癖というものがはっきり出てくるということを、実験によってかなり詳細に調べています」・・・戸谷報告はまだまだ続く。本日引用した文中に「パターン」という語がある。原文では「パタン」と表記されているが、この発音は原語に近いらしく、この公判が開かれていた時代はこの発音が主流だったようである。今回この語のみ、「パタン」改め「パターン」と表記した。