アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 126

私は恐る恐る公判調書978丁を開いた。案の定、そこには我々一般人はほぼ見聞きすることが無い文字が縦書で鎮座していた。「尋問事項書」とあり、どうやらこれは石川一雄被告人の筆跡鑑定を行なった高村 巌に対する、弁護団による逆質問と解釈してよいだろう。証人 : 高村  巌あて尋問事項は九項目。一、証人の経歴及び過去の筆跡鑑定について。二、本件鑑定において証人がとった鑑定方法とその科学的根拠如何。三、サンプリング抽出の方法及びその基準並びにその科学的根拠はどうか。四、対照筆跡との類似性を判定する科学的基準と本件鑑定におけるその具体的適用状況如何。五、筆跡鑑定における相異性の重要性とその判断方法について。六、本件鑑定資料につきいかなる相異性が存在したか。七、筆者の心理状況は配字、字画、筆勢等にいかなる影響を与えるか。その判定の客観的、科学的に妥当な基準があり得るか。八、筆跡鑑定を真に科学的たらしめ得る法則如何。九、右に関連する一切の事項。以上が被告人及び弁護人から請求された「尋問事項書」の内容である。五と六に見られる「相異性」という言葉、これの「相異」を調べようとするが、ネットや手元の辞書には、ほぼ「相違」と表示されていることに気づく。言葉の意味はほぼ一緒のようなので深入りせぬよう辞書を閉じた。さて「尋問事項書」は東京高等裁判所第四刑事部、久永 正勝 裁判所判事、井波 七郎 判事、宮後 誠一 判事らにより次のとおり決定する。「弁護人の昭和四一年十一月二二日付証拠調請求中 高村 巌を証人として次回公判期日(昭和四一年一二月一三日午後一時)に尋問する。昭和四一年一二月六日」・・・。ちなみに蛇足であるが公判調書に記載される日付の表記は、例えば「十一月」の場合、調書には「一一月」と表され、これを私がブログに引用する場合「十一月」と書き表わしている。調書通りオリジナルにこだわりたいが、馴染みのない表記は、やはりしっくりこないのである。              

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( 再び“ 狭山の黒い闇猫 ”である。公園住まいの方なのでホコリっぽいが、毛並みはゴージャスである。しばし見つめ合った)