アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 120

公判調書871丁。狭山事件関連本などでは有名な方が証人である。被害者宅近くに住む老人(六十三才)である。犯人とされた石川被告が被害者宅へ脅迫状を届ける途中、老人宅でその所在地を尋ねたとされる。第一審法廷において被告人席に座る石川被告を見、「この人です」と証言したという。ところが第二審での証言は全く変容している。冒頭、中田弁護人が被告人石川一雄を示し「証人は、そこにいる人に前に会ったことがあるか」との問いに老人は「ありません」と答え、続く質問にはことごとく「記憶ありません」「忘れました」を繰り返す。しまいには石川被告の来訪を警察に届け出る際、遅れた理由を「恐ろしくなった」と述べ、理解しかねた裁判長が「何が恐ろしくなったのか」の問いに老人は「それがよくわからない」「ただ恐ろしかった」と答え、これ以上、的確な証言を引き出す事は無理と思われ裁判長は追及を止めている。狭山事件に関する推理本などでは、この老人の証言を当てにならないとして切り捨てている記述を見かけた事があるが、あながちそうとも限らないと私は考えている。調書を読む時、誰かしらが訪れたことは信憑性があると感じられるのである。それは中田弁護人との問答に現れており、事件当日つまり五月一日の晩、老人のところへ尋ねて来た男の特徴を、「黒っぽい格好」「古い自転車をもっていた」「髪の毛は眉毛のあたりまで下がっていた」「背丈は自分より幾らか小さい」「二間位離れた距離で見た」と、中々具体的に述べている点である。何者かが訪れたことは確かなのであろう。私はここで狭山事件の資料に載っている被害者の自転車、その写真を見てみた。白黒写真ではあるが、そこにはほぼ新車の自転車が載っていた・・・。               

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(私はブログを公開する前に、文の確認を兼ねて一度朗読するのだが、それを聞いていた圧力団体メンバー2匹は心なしか考え込むそぶりを見せ始めた)