アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 44

狭山事件公判調書と共に併読している書に次の記述を見つけた。「警察には、石川さんがクロであるという確証などありはしなかった。ただ、何としてもクロにして見せるという確信があったのである」(狭山事件現地からの報告 たいまつ社より )。塗装屋でもあるまいし、これが当時の警察の真意だったとすれば身の毛のよだつ話である。私などが昭和三十八年、狭山市に居住していたならば石川被告以上に警察に狙われた可能性は非常に高いではないか。小学三年の頃、生まれて初めて神社の賽銭箱なる物を見、そこに刺さっている小麦粉の袋を何故これがここにと、後ろに警官が立っている事にも気が付かずしげしげと友人と見つめ、その行為が賽銭ドロの前兆とみなされ尋問を受けるも、友人が町の有力者の倅であると知った警官が出過ぎた行動を謝り我々は事なきを得た、といった日々を送った私には、冤罪に巻き込まれる要因が意外とすぐ近くに、いや、人生にまとわりついているのだなと振り返って思うのである。なお、五十年近く前に見た、賽銭箱とそれに刺さった小麦粉の袋(中身入り)の関係については、現物でのお布施であったのだなと私は解釈しており、欲を言えばあの時賽銭ドロとして尋問して来られた警官も、この賽銭箱と小麦粉袋について我々と共にその謎を考察して欲しかったのであり、そんな大人としての余裕を見せて欲しかったのである。                                                                                 

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