アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 33

ボーッとして読み落としそうになった記述が目に留まる。たいまつ新書63 「狭山事件・現地からの報告」(たいまつ社)p.165記載【資料】《狭山差別裁判再審証拠一覧》にある戸門クラ供述調書〈石田養豚場の隣家〉である。内容は「五月一日の夜、犬がほえた」〈検察未提出〉と短いが。作成年月日が、63・6・20とあることから、事件発生から約一カ月後に取られた調書と思われる。ポイントは「五月一日の夜、犬がほえた」及び「養豚場の隣家の供述」である点である。二つの情報から単純に推測すれば、「五月一日の夜に養豚場の犬がほえ、それを隣家の者が耳にした」となろうか。この供述調書は非常に重大な意味を持つ。この養豚場では数匹のよく吠える犬を飼っており、警察側は、ここからスコップを盗めるのは養豚場関係者(犬にほえられずに済む)と見て捜査を展開してゆく。結果的には、以前養豚場に勤務した過去がある青年が犯人として逮捕される。だが、養豚場からスコップが盗まれた当夜、犬がほえたとなるとこれは部外者の仕業との可能性が出てくると考えられ、ここで警察の見立も崩れることになる。したがってこの供述調書は〈検察未提出〉となっている。( 本書が出版された時点での記述であり、現在、上記の供述調書がどう取り扱われているか調べねばなるまい)高等検察庁にはこういった公開出来ぬ調書がまだまだ眠るのであろうな。と、この日記を書き終えようとした私は、さらなる問題を発見してしまうが、続きは明日にしよう。

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