アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

日雇いの頃 32

友達になりかけた、二十代前半の男からメールが届き内容に驚く。要約すると、「政府による電磁波攻撃を受けている。至急、救助を求めます。」といった内容である。この男(以下Aとする)には今まで、そのような前兆は全く見られず、メール全文(類を見ない長文)を読み終えた私は途方に暮れた。まさか身近にいる人間が、この手の世界へ行ってしまうとは文字通り想定外であった。私は「政府による電磁波攻撃」などあり得ないと考える。医療の世界や軍事兵器分野においての「電磁波」は存在するだろうけども。私は、Aを知る他の友人達にこの件を伝えたところ、すでにメールは送られていて、「ほっとけ」の一言で済まされた。だがこれでいいのか。平成27年に淡路島で起きた殺人事件の被告は、長い間電磁波攻撃を受け続けた結果として犯行に及んだと法廷で述べた。また昭和56年に起きた深川通り魔殺人事件の被告が、やはり犯行に及んだ原因が政府高官らによる電磁波攻撃であると法廷で陳述、さらにその最中、傍聴席の男が自分もそうだと勝手に発言する一幕があり、すると世の中には人知れず電磁波攻撃を受ける被害者たちがおり、その数は思いのほか多数存在するのではないか。仮に今、私が電磁波攻撃を受けたとしよう。被告人たちの発言にあるような痛みや苦痛、または声が聞こえ、指図を受けるなどの体験をする。だがこの事実をすぐ人に相談できるだろうか。医者に相談するならば話は別だが一般の人々には奇異に映るだろう。まさに「ほっとけ」の一言で一蹴されるのは間違いない。それが分かっているからこそ被害の事実を誰にも語らず、よって症状は悪化、蓄積され、やがて思いもよらぬ方向へ爆発してしまうのではないか。結局、洗いざらい事実を話せる機会が訪れるのは、自己が起こした事件の法廷に被告として立った時なのだ。私に助けを求めたAよ、すまんが自身で立ち向かってくれ。己の手で治療せよ。私のとった冷徹非情な態度には、やがて因果応報が待ち受けているのだろうか。