アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

日雇いの頃 18

平日は冷凍倉庫で日雇い労働者、土日祝日は座間市の米軍基地で射撃と、地獄と天国を同時進行させていたが、この時期にCさんというパチンコの名手と出会った。この方は、いわゆる攻略プロと呼ばれるカテゴリーの人で、パチンコを打てば勝率100%の鉄人であり普段はサラリーマンとして働き、仕事を終えてからは攻略プロとして活動していた。Cさんから学ぶことはいろいろと多かったが、ここではパチンコと攻略法に話を絞ろう。大半の人は、ブラリとパチンコ屋に行き空いてる台にテキトーに座りボーっと打つが、Cさんにより、以上の行動は一切禁止された。事前に下見をして店を選び、打つべき機種を選定、更にその中で一番回る台を特定し、いよいよ勝負となった日は開店の三十分前に入り口に並び、特定した台を確保する。万が一、台が確保できなかった場合は即座に退店する。台が確保できても油断は禁物だ。打ち始めたら、千円あたり何回転するか常に集中する、などなどの、大方のパチプロならば日頃実践している行動規範を、Cさんも強く私に説いだ。勝って店を出るにはそれほどの努力が必要だと私も納得し忠実に教えを守った。おかげで勝率は八割を超えこの分野での自信が私に根付いた。数ヶ月たったある日、Cさんが「そろそろコレを使ってみな」と、体感器を買ってくれた。ちなみに当時は合法的なグッズであった。万能タイプなので内部の設定を変えると複数の機種に対応できるスグレモノだ。私が主に体感器攻略した機種は、アレンジマン、CRモンスターハウス、マジカルランプなどで、どれもが高成績を残せた。本業とは別のあぶく銭な故に無駄使いしそうなので、大半は郷里の母へ仕送りした。母は、台湾、上海、ハワイなど旅行しご満悦であったが、私にとってはせめてもの親孝行が出来たことで一安心したのだった。さて、体感器攻略法なるものによって絶大な恩恵を受けたわけだが、マジカルランプやCRモンスターハウスを最後に、私はこの分野から一切手を引いた。理由は、法改正されパチンコのプログラムの更新システムが変更されたからだ。つまり、もはや体感器攻略が出来ないわけである。一般客のようにパチンコ屋のカモになるのは御免である。私をパチンコで常勝する男に鍛えてくれたCさんも「今後は盆栽いじりでもするかな」と笑っていた。何事も引き際が肝心である。