アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

日雇いの頃 12

ついに散弾銃を撃てる時が来た。銃は上下二連、自動式と、どちらか選べる。両方撃ったが上下二連は鎖骨を痛める。自動式はスプリング内蔵で射撃時の衝撃を緩和してくれる。弾代は安かった。確か一箱5ドルで釣りがきた。責任者のグレッグさんから箱単位で購入するが、何発撃ったとか、残数は何発か?など一切チェックされないのでポケットに弾が残ったりした。このまま家に帰れるではないか。しかし、そこは清廉潔白に、残り玉はグレッグさんに全て返却した。宙を飛ぶ陶器製の皿を撃つ、というこのスポーツはアドレナリンがジャジャ漏れで、私は密かにイッてしまった。耳に痛い発射音、肩への衝撃、火薬の匂い、どれもが夢に見た光景である。ちなみに初めて射撃を行なった時幸いにも散弾が皿に命中し粉々に散った。Aさんは、後ろで見ていたベテラン軍人が、「お前は慣れている」と言ってたぞ、と教えてくれた。う、嬉しい!   この時、もしやネイビーシールズに勧誘されるのでは?と、早速妄想を抱いたが、いらぬ心配であった。このスキート射撃場には、基地内に住む米兵が家族連れで訪れ、軍人の父が息子や娘(まだ十代前半)に銃の取り扱いやマナーを教えていたが、その点は我々もレクチャーを受けていて、銃口は下か上に向ける、上下二連タイプは中折れさせ薬室は空に、銃口を下向きにと、様々なルールがあり守らなければならない。銃を扱う以上当然であるが。それにしてもこの射場から200メートルほど先に滑走路があり軍用機が離発着するのだが、その方向に向かって散弾銃を撃つのは、当初気が引けた。常連の人たちは「弾は届かないよ」「当たってもはじくよ」と笑っていたが、素人の私は半信半疑で撃っていた。ところで、飛んで行く皿に散弾を当てるわけだが、皿が粉々に散るとギャラリーたちが盛大に拍手を送り、中途半端な当たり方だと無反応を示すのだが、私はゲームのルールを知らず、ただ単に撃っていた。皿の割れ方がゲームの評価に関係しているのだろうか。いずれにせよ、この座間基地内スキート射撃場で過ごす一秒一秒が嬉しくて、隙をみてはクラブハウスの裏に回り、一人壁を向いて笑っていた。