私は今、社会の底辺層で生きている。一円十円の単位で生活費をやりくりし、日々、自販機の返却口をすがるように確認、むなしく落胆を繰り返す。帰り道、地面に五百円似の物質を発見し駆け寄ると、パチスロのコインと判明、激昂し蹴飛ばすと路駐のベンツに命中した。ゴザに包まれ東京湾に浮かぶ我が姿がうっすら目に浮かぶ。 無事アジトに生還しヤク(焼酎)をキメひと息入れる。この貧困生活の厚い壁をぶち壊すには、銀行強盗以外に何かイイ方法はないか、逆立ちしてみたりして考える。しばらくたって実に安易で軽薄な、 したがって世に受けそうな案が浮かんできた。
人形を販売するのだ。(案が消える前に念写で記録)。 左が「三億くん」右が「キツネ目くん」題して「昭和モンタージュシリーズ」。二体を同時購入した方には台座の「万札ブロック」が、もれなくプレゼントされる。コイツらの、親指を立てサムアップした勇姿は、世界中を苦しめる「コロナ禍」すら吹き飛ばしてくれるだろう。女子高生にも受けそうだ。タカラトミーさん、御連絡お待ちしております。
