刑務所の囚人が、入手した煙草の火に困った時は、「電パチとゴリ」だ。
「電パチ」とは2Bとか3Bとかの太い鉛筆の芯を、電球をはずしたソケットの内側に、何回も押しつけたり離したりする。その内、黒鉛が赤熱してくる。それにネッコ(煙草)をくっつけて火をつける。「ゴリ」とは綿の中にゴザの芯を入れ、それに歯磨き粉をふりかけセルロイドの破片なんかを包みこんで、床に強くこすりつける。ゴリゴリ回してたら熱が出てきて、セルロイドにぼうっと火がつく。(本文より)
必要は発明の母とは言うけれど、刑務所の中での話です、これ。しかもこの話を披露した方は、連続八人殺害 広域捜査105号事件の犯人なのだった。 大好きな「なごみ堂」で購入、「強殺」なるタイトルに嫌悪感が湧き、何年も読まずじまいだった。 内容は中々濃くてしっかり読めた。
午後の一服は「電パチ」着火で煙草を吸おうかな。