アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

狭山の黒い闇に触れる 558

【公判調書1802丁〜】 東京高等検察庁検事=平岡俊将の意見 第二の三。 (二)、被告人が五月十一日に捨てたという時計が七月二日に至って小川松五郎により発見されたことについても種々疑惑がある旨主張するが、被告人は右六月二十七日の青木一夫に対する供述…

狭山の黒い闇に触れる 557

【公判調書1801丁〜】 東京高等検察庁検事=平岡俊将の意見 第二、 「三、被告人は、六月二十四日付青木一夫に対する供述調書において、被害品の時計を田中地内の道路上に五月十一日頃捨てた旨自供し、その時計の略図と捨てた場所の図面を書いたものが調書に…

狭山の黒い闇に触れる 556

【公判調書1800丁〜】 東京高等検察庁検事=平岡俊将の意見 第二の二 (二)、小島朝政作成の五月二十三日付、六月十八日付(弁護人の要望により証拠請求をする)各押収捜索調書の記載内容や添付写真などをよく検討すれば、同人の当審第十三回公判(四十一年二月…

狭山の黒い闇に触れる 555

【公判調書1797丁〜】 東京高等検察庁検事=平岡俊将の意見 第二、自白と証拠物。特に鞄、万年筆、時計の発見関係について。 一、被告人の自白に基づき鞄の捜索がなされた経緯については、当審における被告人の陳述においても最初関源三に対し自供して捨てた…

狭山の黒い闇に触れる 554

【公判調書1793丁〜】 東京高等検察庁検事=平岡俊将の意見 四、最初の自白時期が六月二十三日以後であるとの一理由として、被告人が川越分室移監後絶食したことを挙げてその日時の関係等を主張しているが、被告人がある程度の拒食態度をとっていたことは当…

狭山の黒い闇に触れる 553

【公判調書1791丁〜】 前回まで引用してきた狭山事件弁護人らによる意見陳述に対する東京高等検察庁検事=平岡 俊将の意見。 事実取調請求に対する意見書 昭和四十五年六月十七日 東京高等裁判所第四刑事部 殿 弁護人の昭和四十五年四月二十一日付事実取調請…

狭山の黒い闇に触れる 552

【公判調書1732丁〜】 「被告人の五月一日、二日の行動について」 福地 明人 三、次に五月二日の被告人の行動について触れたい。被告人は当審公判廷において、この日は午前中、家で犬小屋を作っておった。昼過ぎの一時頃から川本、石川ら友人と狭山劇場へ映…

狭山の黒い闇に触れる 551

【 公判調書1729丁〜】 「被告人の五月一日、二日の行動について」 福地 明人 二(前回より続く) 電車で西武園へ行って朝の九時半頃までそこにおった。それから所沢へ行って「東莫」というパチンコ屋へ入ってパチンコを二時頃までやった。途中、「東莫」の前…

狭山の黒い闇に触れる 550

【公判調書1727丁〜】 「被告人の五月一日、二日の行動について」 福地明人 一、最初にこの問題に対する原判決の認定に簡単に触れたい。 原判決の認定が予断と偏見に満ちた不当な判決であること、物証と自白が結びつかないこと、虚偽の自白を基礎にするもの…

狭山の黒い闇に触れる 549

【公判調書1724丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 4.思い違い、間違っていた、よくわからない、記憶しないなどの自白。 (3)この種の供述の意味 被告人は「自白」後もなお、全般的におびただしい不知的供述を続けざるを得なかった。こ…

狭山の黒い闇に触れる 548

【公判調書1722丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 亨 四、自白の虚偽架空 4.思い違い、間違っていた、よくわからない、記憶しないなどの自白。 (2)「不知」的供述の整理 本件自白調書には「思い違い」「・・・・・・のように思う」「記憶がな…

狭山の黒い闇に触れる 547

【公判調書1719丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 四、自白の虚偽架空 3.カチャカチャ音がする筆入れを尻のポケットに入れて被害者宅に行くことはあり得ない。 被告人の7・1 原 第三回調書四項記載によれば「・・・鞄の中の本を出して・・・そ…

狭山の黒い闇に触れる 546

【公判調書1718丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 亨 四、自白の虚偽架空 2.山学校附近の十字路で自転車に乗ってきた被害者を捕まえ、山に連行したという自白は客観的事実に反する。 (2)被害者の通学路 被害者が川越高校入間川分校に届出…

狭山の黒い闇に触れる 545

【公判調書1716丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人= 石田 享 四、自白の虚偽架空 (三)客観的事実に反する自白 1.荒神様(三柱神社)のところを被告人は通っていない 毎年五月一日は、蚕の神を祀る三柱神社のお祭りであった。本件当日も祭りであり…

狭山の黒い闇に触れる 544

【公判調書1714丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 四、自白の虚偽架空 (二)自白を否定する物証 5.脅迫状の用紙 自白によれば脅迫状の用紙は「妹美智子の鞄の中の帳面を破って」使用したものという(6・24青木第二回調書七項、6・25原 …

狭山の黒い闇に触れる 543

【公判調書1712丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 四、自白の虚偽架空 (二)自白を否定する物証 4.死体発見現場附近の地下足袋とその足跡 青木一夫当審六回公判証言、諏訪部正司当審十一回公判証言、将田政二当審十二回証言等によれば…

狭山の黒い闇に触れる 542

【公判調書1711丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 四、自白の虚偽架空 (二)自白を否定する物証 3.教科書類とカバン、牛乳ビン等を捨てた場所 自白によれば、最初は、カバンは本が入ったままで一緒に捨てた(6・21付関調書一項)のである…

狭山の黒い闇に触れる 541

【公判調書1708丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 四、自白の虚偽架空 (一)犯人ならば知らぬ筈のない物証に触れない自白 死体発見現場で「死体の右側頭部に接して」人頭大の玉石が発見された(5・4大野喜平実況見分調書、見分の顛末・三…

狭山の黒い闇に触れる 540

【公判調書1706丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 三、再逮捕、再勾留と自白強要 (四)自白の生成と物証発見との関わり合い こうしてみれば、三人説自白が単独犯説自白へ変化したのは、六月二十三日から何日か後のことであることになら…

狭山の黒い闇に触れる 539

【公判調書1705丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 三、再逮捕、再勾留と自白強要 (三)被告人の自白はいつから始まったか。 2.医師の診断が、絶食後暫く日が経ったのち自白前に行なわれており、診断の日が六月二十二日頃であること。 …

狭山の黒い闇に触れる 538

【公判調書1704〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 亨 三、再逮捕、再勾留と自白強要 (三)被告人の自白はいつから始まったか。 被告人の自白調書の日付記載によれば一見明らかなように、自白が始まったのは六月二十日であるかのようである。…

狭山の黒い闇に触れる 537

【公判調書1701丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 三、再逮捕、再勾留と自白強要 (二)被告人の当審供述と自白強要の手口 被告人は当審第一回法廷で自らの無実を訴え、第二回公判以後どうして嘘の自白をするようになったのか、どうして虚…

狭山の黒い闇に触れる 536

【公判調書1700丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 三、再逮捕、再勾留と自白強要 (一)最大の暴行、脅迫、偽計として再逮捕 特捜本部の「見込み」どおりには取調は進展しなかった。被告人が、狭山事件についての無実を訴え続けたからであ…

狭山の黒い闇に触れる 535

【公判調書1699丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 二、別件による逮捕勾留と自白の強要 (二)別件起訴までの狭山事件自白の強要とその実態 2. 被告人の「新」供述調書から 被告人は五月二十三日逮捕され狭山署に留置されるや「善枝さんを…

狭山の黒い闇に触れる 534

【公判調書1696丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 二、別件による逮捕勾留と自白の強要 (二)別件起訴までの狭山事件自白の強要とその実態 1.被告人の当審供述とその裏付 別件逮捕、別件勾留の間、取調官は被告人に対して終始狭山事件の…

狭山の黒い闇に触れる 533

【公判調書1693丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 二、別件による逮捕勾留と自白の強要 (一)別件逮捕の目的とその性格 被告人を五月二十三日逮捕した捜査当局の狙いは、狭山事件容疑者としての取調べにあった。 被告人逮捕当日午前十時…

狭山の黒い闇に触れる 532

【公判調書1691丁〜】 「自白の生成とその虚偽架空」 弁護人=石田 享 一、はじめに 被告人は当審第一回公判において「善枝さん殺し」、いわゆる狭山事件(以下同様)での自己の無実を訴えた。当審第二回公判から今日まで、少しの飾り気もない被告人の無実の叫…

狭山の黒い闇に触れる 531

【公判調書1688丁〜】 「筆跡鑑定について」 中田直人 三、「三鑑定の非科学性」 (前回より続く) 「な」についても、関根・吉田鑑定と長野鑑定は、第二画が第一画の上に長く出ていることを特徴としているが、関根・吉田鑑定写真第三十三図、第三十五図、第六…

狭山の黒い闇に触れる 530

【公判調書1687丁〜】 「筆跡鑑定について」 中田直人 三、「三鑑定の非科学性」 (前回より続く)もう一つ指摘しておこう。高村鑑定は、いうところの「潜在的個性」が起筆、終筆、線条の震えとなって現れるといっている。三鑑定に数多く添付されている拡大写…

狭山の黒い闇に触れる 529

【公判調書1684丁〜】 「筆跡鑑定について」 中田直人 三、「三鑑定の非科学性」 (前回より続く)拡大鏡を使用し、先に述べた筆勢、筆圧、配字、筆順、字画構成につき検査し、「特殊な形状」(関根・吉田鑑定)や、「個性的筆跡特徴」(長野鑑定)を検出する鑑定…