アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

狭山の黒い闇に触れる 254

今ごろ気が付いたが、第二十六回公判は、事件後に逮捕された被告人が、虚偽の自白を行なってゆく過程を追うという非常に重要な問答が含まれていた・・・・・・・。弁護人=「あなたは、一人でやったというようになってから、入間川の駅に着いてから、すず屋で牛乳を…

狭山の黒い闇に触れる 253

狭山事件公判調書第二審、第二十六回公判・昭和43年の記録を私は読んでおり、頁は1171丁である。川越警察署分室で被害者の腕時計の行方を追求された石川一雄被告人は、取調官らにいい加減な証言を放ち、その場を凌ごうとするが、質屋の件はすぐ嘘だとばれ、…

狭山の黒い闇に触れる 252

弁護人=「前に述べたところでは、関巡査部長に三人でやったと言い出したのは二十三日頃ということですね」「その頃だということは間違いないのですか」被告人=「はい、絶食して二、三日経ってからですからその間医者が来たから大体覚えています」・・・私はこ…

狭山の黒い闇に触れる 251

「第二六回公判 ( 供述 )」は、引き続き昭和43年の記録であり、事件発生からすでに5年が経っている。関係者たちの記憶は薄れてゆかぬか心配であるが、さて法廷では裁判長および主任弁護人らによる尋問が開始され、公判冒頭の「( 狭山署から) 川越警察署に行…

狭山の黒い闇に触れる 250

狭山事件公判調書第二審1166丁。前回まで取り上げた事実取調請求書全27項目について、いよいよ裁判所による結果が出されたが、ほぼ全滅であった。27項目のうち⑥と⑦以外は「必要なし」「留保」とされた。ちなみに⑥は園芸試験場の気象に関する証明書、⑦が熊谷…

狭山の黒い闇に触れる 249

長々と書いてきた事実取調請求書であるが、今回の証拠番号27番でその請求を終える。27番=住所・東京都北多摩郡久留米町、氏名・中田直人、とある。この方は石川一雄被告人の弁護人ではなかったか。読み進めるとやはりそうであった。弁護側が中田直人弁護人…

狭山の黒い闇に触れる 248

昭和四十三年八月二十七日、弁護側から裁判所へ事実取調請求書が提出された。27項目におよぶ証拠類が請求されており、これらの請求を裁判所が認めるかどうか気になるところであるが、私は今27項目のうち、25番目を見終えたばかりで、残り2項目に目を通さなけ…

狭山の黒い闇に触れる 247

事実取調請求書・請求する証拠の番号=25 相模原市上溝五一二・池田正士は、第一審判決の前後ごろ、浦和刑務所拘置区の同房者となったが、被告人から、実は無実であると話されており、被告人が自己の無実を詠んだ歌を被告人や清水某と共に歌っていたことを咎…

狭山の黒い闇に触れる 246

私は『狭山事件公判調書・第二審』の1163丁まで辿り着いた。1163丁の時点でその日付けは昭和43年を指している。西暦で表すと1968年。今年が2022年であるから、私は54年前に記録された裁判資料を見ていることが確認できる。このことを自覚しておかないと、私…

狭山の黒い闇に触れる 245

事実取調請求書・請求する証拠の番号=23 石川一雄被告人は川越警察署分室で取調べを受けていた時、近所から聞こえる時計の鐘で、その時刻が深夜にまで及んでいることを知るが、この事を取調官に告げた日から時計の音は聞こえなくなった。証拠番号23は、その…

狭山の黒い闇に触れる 244

事実取調請求書・請求する証拠の番号=19〜22 ここへきて、またも高度な表記に会い、私は歯ぎしりを我慢した。一瞥して、調書の頁めくり、その往復運動に追われそうである。再び証拠番号18に戻るのか?この、法曹関係書によく見られる表記が、こうも頻繁に出…

狭山の黒い闇に触れる 243

事実取調請求書・請求する証拠の番号=18 証拠番号18番は証人を請求している。その証人の住所・氏名は=浦和市常盤十丁目・将田政二、とあり、次にB(証明すべき事実)に移るが原文通り引用する。『[B] 10のG一、(一)、11のG一、13のG、14のG一、16のG…

狭山の黒い闇に触れる 242

事実取調請求書・請求する証拠の番号=17 請求する証拠の標目 =「週刊文春(昭和三十八年)七月八日号・三十四頁以下『石川一雄自供発表の夜』と題する記事」*被害者の腕時計は七月二日に発見されるのだが、それ以前から腕時計の存在を警察が把握していた可…

狭山の黒い闇に触れる 241

事実取調請求書・請求する証拠の番号=16 証拠番号=16番は新聞の記事を指し、それは「“ 疑いの男 ” 一人姿消す 狭山の女子高生殺し捜査進まず」という見出しのある記事である。記事の内容は、「特捜本部は、死体に付いてあった布きれに付いていた東京・築地…

狭山の黒い闇に触れる 240

事実取調請求書・請求する証拠の番号=15 証拠番号15番は、証人・長谷部梅吉が第八回公判で述べた供述と矛盾する報道記事が掲載されおり、これは証人・長谷部梅吉供述の証明力を減殺するものであることから請求された。請求された新聞記事=昭和三十八年五月…

狭山の黒い闇に触れる 239

事実取調請求書・請求する証拠の番号=14 【E】昭和三十八年五月六日付朝日新聞夕刊三版七面(一)「新事実つきとめる 下校中にも目撃者 容疑線上に三人の男」という見出しのある記事。(二)「元作男が結婚前に “自殺” 被害者宅で働いていた」という見出しのあ…

狭山の黒い闇に触れる 238

事実取調請求書・請求する証拠の番号=13。本日は、この13番を原文通りに引用してみる。(下の写真は、原文の各項に振られたアルファベットが何を指すか確認するためのガイド代わりに載せた) 【E】昭和三十八年五月七日付毎日新聞夕刊「ナワの結びに特徴」と…

狭山の黒い闇に触れる 237

事実取調請求書・請求する証拠の番号=12。 請求された証拠は【昭和三十八年五月七日付毎日新聞朝刊・「自殺した元作男」という見出しのある記事】 その記事の内容は、【五月六日夜、中刑事部長が「玄二さんの血液型はB型で、被害者の遺体から検出した血…

狭山の黒い闇に触れる 236

事実取調請求書・請求する証拠の番号=11。 請求する証拠=「毎日新聞夕刊・昭和三十八年五月六日付」*その新聞記事の見出し=「キメ手 米屋の手ぬぐい」*新聞記事の内容=「被害者を後ろ手に縛っていた布は、五十子貞作方で得意先に配ったものであり、川…

狭山の黒い闇に触れる 235

事実取調請求書・請求する証拠の番号=10。弁護側は、『素人ではない荒縄の結び方、新たな手がかり』という見出しの記事を掲載した新聞を証拠請求している。記事には「竹内狭山署長は、五月七日午前十一時からの記者会見で “ 被害者を縛っていた荒縄や細引は…

狭山の黒い闇に触れる 234

事実取調請求書・請求する証拠の番号=9。 ①証人・長谷部梅吉は第八回公判において「奥富玄二が本件と関係があるのではないかという疑は持っておらず、必要が無いから調べなかった」旨供述している。だが、読売新聞の報道によると「特捜本部は、自殺した奥…

狭山の黒い闇に触れる 233

事件取調請求書、請求する証拠番号=8は下記の内容となる。【脅迫文の「少時」に該当する人物について、証人・青木一夫の供述と、捜査当局の見解は違っていた事実。第七回公判で証人・青木一夫は「死体発見現場付近の江田ショウジと想定」旨供述し、一方、…

狭山の黒い闇に触れる 232

「事実取調請求書」の「請求する証拠の番号」、その6であるが、ここにも不可解な、解明されねばならぬ事柄が記されている。被害者の腕時計は昭和三十八年七月二日に発見されている。だが、それより以前に、すでに石川一雄被告人は腕時計を見せられていたとい…

狭山の黒い闇に触れる 231

『4.A:狭山市入間川三丁目 金子金造』『B.昭和三十八年五月一日午後、自宅の八百屋の前を通る被告人を見かけ、互いに言葉を交わした事実』『C.(一)被告人を知っているか。(二)昭和三十八年五月一日午後、自宅の八百屋の前で被告人に会ったことがあ…

狭山の黒い闇に触れる 230

『3.A : 狭山市 沢四 横田 権太郎』『B(一)昭和三十八年五月一日午後、証人および長男夫婦ら三、四人は、自白で被害者を捕まえ連行したという道から遠くない「窪の畠」で仕事をしていたが、その際被告人らの姿を見ていない事実。(二)1.の証人のB二、…

狭山の黒い闇に触れる 229

『2.A : 狭山市入間川一七七四 高橋ヤス子』『B(一)昭和三十八年五月一日午後、証人方の手伝いの娘が、自白で被害者を捕まえたという十字路近くの畠で仕事をしていたが、その際被告人らの姿は見なかったということが話し合われた事実。(二)1. の証…

狭山の黒い闇に触れる 228

公判調書1154丁。新たに被告人及び弁護団側による「事実取調請求書」が載っているが、その表記方法の説明は若干特殊と思われ、これは言葉で説明するよりも写真を載せ、目で見た方が一目瞭然と判断した。 (訂正 : 実のところ一目瞭然ではなかった。何度も読…

狭山の黒い闇に触れる 227

(前回より続く)「証明すべき事実および質問する事項」より。『⑯原検事、河本検事らは、狭山署にいる時から○○(被害者名)ちゃん殺しのことを調べ、原検事は石田一義は本当のことを言ったから返したと言い、また河本検事は、裁判所へ行ってから話すというのな…

狭山の黒い闇に触れる 226

(前回より続く)「証明すべき事実および質問する事項」より。⑦被害者を捕まえ山の方へ連れて行った道には、自動車を停めて畠仕事をしていた人があると教えられ、捕まえたのは狭山精密の方ではないかと聞かれたこと。⑧「単独犯行」に自供を変えたのは、自動…

狭山の黒い闇に触れる 225

今日、公判調書1150丁に辿り着く。今から触れる事柄は、その日付が昭和四十三年八月二十四日とあり、題目は「事実取調請求書」となっている。過去にも同じ題目の事柄を取り上げているので、概ねその仕組みと流れは把握しているつもりである。従ってそのあた…