アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

狭山の黒い闇に触れる 134

戸谷 富之鑑定人による公判廷での口頭報告。( その1 )「筆跡鑑定で、特に形態比較あるいは字画構成比較による要素は何であるかということ」について。「筆跡鑑定の場合の主に字の形態、あるいは字画構成といいますが、字画構成の比較からある文書、その文書…

狭山の黒い闇に触れる 133

私は今までに狭山事件の関連本をそれなりに集め、読んできた。そして今、その原典とも言える狭山事件公判調書第二審を読む機会に恵まれた。出版された狭山事件関連本は、頁数の制限の中で書かれていると思われ、個人的には狭山事件再審弁護団が関わった書籍…

狭山の黒い闇に触れる 132

1006丁。第二四回公判調書(供述)。裁判長は戸谷 富之(北海道大学教授・触媒研究所長)に対し、口頭と鑑定書による報告を命じる。その内容は二つ。第一、最近一般的に行われている日本文字の筆跡が同一なりや否やの鑑定方法、およびその結果の相当性について。…

狭山の黒い闇に触れる 131

私は今、狭山事件第二審公判調書に目を通しているが石川一雄被告人の筆跡鑑定について、一度立ち止まり考えてみたい。現場足跡と脅迫状の筆跡、この二つが石川被告人が犯人であるかどうかその直接証拠の根拠になっている。脅迫状に話を絞ろう。第一審から脅…

狭山の黒い闇に触れる 130

筆跡鑑定人:高村 巌の出廷問題と並行して、弁護人らにより「事実取調請求書」が出され、ここには鑑定人として、北海道大学教授 戸谷 富之という人物の名が見受けられる。鑑定事項は二つ。一、高村 巌鑑定人の本件筆跡鑑定には、科学的信頼度があるか。二、本…

狭山の黒い闇に触れる 129

証人 高村 巌( 筆跡鑑定人 )の度重なる出頭不能に対し、裁判所側から証人を診断した医師へ病状等の照会が行われた。調書には電話聴取書として記録されている。大沢俊子 医師:「証人尋問を行なうことについて睡眠をよくとり体力をたくわえ、体調を整えておけ…

狭山の黒い闇に触れる 128

石川一雄被告人の筆跡鑑定を行なった高村 巌に対する尋問が、昭和四一年一二月一三日に東京高等裁判所において予定されていたが・・・。裁判長 : 「証人 高村 巌 からさきに、左眼水晶体全摘手術以後非常に疲労し易く、頭痛も起こす状態であるため長時間の尋…

狭山の黒い闇に触れる 127

石川一雄被告の弁護人による「証拠調請求書」が裁判所により決定されるが、そこで尋問される証人 : 高村巌( 筆跡鑑定人 )から、東京高等裁判所第四刑事部 裁判長判事 久永 正勝宛に次の書面が提出される。「被告人石川一雄に対する強盗殺人被告事件の証人召…

狭山の黒い闇に触れる 126

私は恐る恐る公判調書978丁を開いた。案の定、そこには我々一般人はほぼ見聞きすることが無い文字が縦書で鎮座していた。「尋問事項書」とあり、どうやらこれは石川一雄被告人の筆跡鑑定を行なった高村 巌に対する、弁護団による逆質問と解釈してよいだろう…

狭山の黒い闇に触れる 125

調書975丁には「証拠調請求書」なる文字が見られる。前回ブログに引用した、石川一雄被告人の筆跡鑑定を行った高村 巌・鑑定人の名前があり、そのあとに続く「立証事項」には、「証人は同人作成の昭和四一年八月一九日付鑑定書の作成に関してその内容、鑑定…

狭山の黒い闇に触れる 124

「ぶ」字の検査 第一八七号証の一(脅迫状)中の「ぶ」字は第一筆と第二筆が連続して「了」字の如く書かれ(R.Sに示す)第三筆は左下方に向って斜線状に(Tにて示す)書かれている。第四筆は第三筆に比してその位置が比較的高く書かれ、濁点は第一筆の転換部の右肩…

狭山の黒い闇に触れる 123

公判調書966丁。鑑定人 高村 巌。「わ」字の検査。 第一八七号証の一(脅迫状)中の「わ」字は第一筆(Mにて示す)が左下方に向って傾斜して運筆され第二筆は右方に向かって運筆し(N.Oにて示す)転換して左下方に運筆しているが、この線は第一筆縦線を左方に突き…

狭山の黒い闇に触れる 122

狭山事件における被害者に関する記述について。事件の性質上、強姦及び遺体の解剖等を切り離し考察することは適切ではないが、個人的見解により当ブログにおいては割愛させていただく。さて公判調書939丁には「第一九回公判調書」(手続)とあり、公判をした年…

狭山の黒い闇に触れる 121

公判調書877丁。証人 : 原 正。職業 : 検察官(浦和地方検察庁)。原証人は事件発生後の昭和三十八年五月四日より本件を担当する。石川被告が狭山警察署から川越警察署分室に移送後、接見の指定等の関係を原証人が担当。ここでは川越警察署分室での、弁護人に…

狭山の黒い闇に触れる 120

公判調書871丁。狭山事件関連本などでは有名な方が証人である。被害者宅近くに住む老人(六十三才)である。犯人とされた石川被告が被害者宅へ脅迫状を届ける途中、老人宅でその所在地を尋ねたとされる。第一審法廷において被告人席に座る石川被告を見、「この…

狭山の黒い闇に触れる 119

公判調書869丁。第十七回公判調書(手続)。続き870丁第十七回公判調書(供述)。証人: 高村巌、職業: 文書鑑定科学研究所長。早稲田大文学部中退、同大学法学部入学、昭和十七年卒業。昭和四年から昭和二十三年まで警視庁鑑識課勤務。その後、国警本部(現在の警…

狭山の黒い闇に触れる 118

公判調書860丁。証人は石川富造(六十八才)。速記録の日付が石川リイさんと同じ昭和四十一年五月二十一日であることから、両名は揃って東京高等裁判所に赴いたと思われる。ここでは富造証人が、第一回目と二回目の家宅捜索について証言、その徹底ぶりを語るの…

狭山の黒い闇に触れる 117

公判調書854丁より証言するのは石川一雄被告の母、石川リイさん(六十一才)。問うのは宇津弁護人。ここではまず、石川一雄被告が逮捕される少し前、自宅脇で友人とキャッチボールをしていたところへ、石田一義(養豚業)が会いに来た状況がリイ証人より語られる…

狭山の黒い闇に触れる 116

公判調書844丁。ここからは平岡検事による尋問が始まる。証人は石川六造氏、石川一雄被告の兄である。ここで注目されるのは次の問答である。平岡検事:「〜それから、念の為に聞くんですが、関さんが、二度、ここへ証人に出られまして、弁護人から今お尋ねに…

狭山の黒い闇に触れる 115

石川被告宅で、万年筆が発見される数日前に訪れた関源三巡査部長の行動は、どう控え目に見ても疑問が感じられる。中田弁護人:「起こされたとき、関さんはどこにいましたか」六造証人:「お勝手に上がってました。で、私のほうへ向いて来るんですよ。廊下下り…

狭山の黒い闇に触れる 114

公判調書840丁。小島警部に促され六造証人は鴨居上から万年筆を取り出す。中田弁護人:「あなたは、その万年筆を手にしたわけですね」六造証人:「はい、それで手に持って写真を撮られました」中田弁護人:「手に持っておれと言われたんですか」六造証人:「はい…

狭山の黒い闇に触れる 113

お勝手に向かう小島警部。後ろに六造証人が続く。六造証人:「ここだと言うんです。それでお勝手の、つけがもい( 鴨居 : 筆者注)の上なんです。さっき二回目の捜索の時に、ボロきれを詰め直した場所です」中田弁護人:「そこを小島警部がここだと言って指差し…

狭山の黒い闇に触れる 112

石川被告宅における第三回目の家宅捜索は昭和三十八年六月二十六日に行われ、屋内のお勝手入口の上から万年筆が発見される。六造証人:「時間はちょっと判らないですけど、朝七時半か八時ごろだと思ったですけど、前のほうから、三人くらい来て、一雄くんがボ…

狭山の黒い闇に触れる 111

公判調書835丁。石川一雄被告の兄、六造氏はいよいよ三回目の家宅捜索時における、万年筆発見の模様について語る。問うのは中田弁護人。しかし、この三回目の家宅捜索の模様を語る前に、第二回目の家宅捜索がどれほどのレベルで行われたのか、弁護人が六造氏…

狭山の黒い闇に触れる 110

今、私が目を通している公判調書は狭山事件発生から約三年後の昭和四十一年、第二審公判調書となる。この三年という歳月は当事者たちの記憶にいかなる影響を及ぼすのか。証人である石川六造氏はこの時三十歳と調書に記載されているので、事件当事二十七歳ぐ…

狭山の黒い闇に触れる 109

第二審公判調書820丁。証人は石川六造。石川被告の実兄にあたる。石川家の七人兄弟の構成について裁判長が質問する中、六造氏が妹の一人の年齢を二十五と答えた途端、石川被告が「違う、二十三です」と斬り込む場面がある。七人も兄弟がいれば多少の覚え違い…

狭山の黒い闇に触れる 108

第二審第十六回公判調書。裁判所速記官 : 佐藤房末の署名が見られる速記録の日付は、昭和四十一年五月二十三日であり、事件からほぼ三年後にあたる。証人として出廷したのは、石川被告を「小さいときから知っております」と述べる、共に養豚場で働いた野球仲…

狭山の黒い闇に触れる 107

狭山事件第二審公判調書767丁より796丁においては検証請求書に始まり、それらに伴う図面などが添付され、私の能力ではこれらをブログ上で分かりやすく記載することは無理であり、本気の方は原典である公判調書に直接触れて頂きたい。無能を詫びる。私は下準…

狭山の黒い闇に触れる 106

石川被告の弁護人による、検証請求書及び検証請求補充書は、やがて裁判長判事、久永正勝により決定告知される。調書を読み進めると、「添付した見取図写真 : 見取図四枚六図、写真1から21まで」とあり、さらに、「利用した書類等 : 当審第一、二、三回検証調…

狭山の黒い闇に触れる 105

検証目的物四。「四、狭山市堀兼四七五 石田養豚業豚小屋並びに右豚小屋脇の不老川土手及びその付近」これの補充書は「四、不老川の土手は、石田養豚屋の残飯入れドラムかん及びスコップがおかれていた地点で、五月一日当時も同所にスコップが存在したとの被…